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2013年12月17日(火)

主張

来年度予算編成

消費税増税の口実は自壊する

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 来年度(2014年度)予算編成に向けた動きが大詰めです。来週はじめには第2次安倍晋三政権が概算要求から手がけた最初の政府予算案が決まる見通しです。来年度は、4月から消費税が現在の税率5%が8%に増税されます。安倍政権は、増収分は全額社会保障の財源に回すとともに、増税によって日本経済や国民の暮らしが痛めつけられないよう配慮するとしてきましたが、大枠が固まった来年度予算の姿は、そうした消費税増税の口実が自壊してしまうことを浮き彫りにしています。

家計負担増、大企業減税

 消費税は消費者が品物を買ったりサービスを利用したりするたびに課税される税金で、1%増税するだけで約2・5兆円もの税収が増え、その分国民から購買力が奪われることになる、まさに消費破壊税です。国民の所得が減り続けるなか消費税が増税されれば、国民生活がいっそう悪化し、日本経済が落ち込むことは確実です。

 安倍首相でさえ「日本経済はデフレと景気低迷の深い谷に逆戻りしてしまうのではないか」との懸念を口にしてきたのに、ことし10月1日、来年4月からの消費税増税実施を決めたさいには「大胆な経済対策を果断に実行」すれば「経済再生と財政健全化は両立しうる」といいだしました。その真偽が試されるのが予算編成です。

 政府が先週決めた5・5兆円規模の今年度補正予算案では、消費税増税に伴う臨時福祉給付金など「低所得者等への影響緩和」の項目はありますが、金額は“すずめの涙”です。とても増税による家計の打撃を穴埋めできません。

 補正予算案だけでなく、政府が決めた来年度予算編成の基本方針や自民・公明の与党が決めた来年度「税制改正大綱」でも盛りだくさんなのは大企業への減税です。東日本大震災の復興財源になる復興特別法人税は来年3月末で廃止、「民間活力の活用」などの口実で大企業の交際費や設備投資は減税、財界が強く要求した法人実効税率の引き下げも「引き続き検討」と明記しました。

 家計から吸い上げ、大企業にばらまくだけの安倍政権の予算編成では、消費税増税による経済への打撃を帳消しにはできません。減税などで大企業のもうけを増やせば、水がしたたり落ちる(トリクルダウン)ように回りまわって賃金や下請け単価が引き上げられるというのが政府のいいぶんですが、巨額の内部留保に回るだけで何の実行の保証もないことは政府の税制調査会のメンバーからも指摘されています。経済再生と「両立」できなければ、消費税増税の口実は自壊してしまいます。

 消費税増税の増税分を社会保障の財源に回すといった「一体改革」の口実はすでに破綻しています。生活保護や介護などの改悪が持ち出されている一方、大企業減税や不要不急の大型開発事業へは大盤振る舞いです。消費税増税はまさに“百害あって一利なし”です。

4月の消費税増税中止を

 もともと消費税増税は民主党政権が自民党や公明党と談合して決めたものですが、その民主党は総選挙でも参院選でも大敗しました。国民は消費税増税を信任していません。増税の口実が自壊している消費税増税はきっぱり中止すべきです。来年4月からの増税を中止に追い込む運動が重要です。


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