2013年12月22日(日)
海汚すプラスチック
生き物への危険 報告相次ぐ
さまざまな経路で流出した大量のプラスチックが世界中の海や水辺を汚染しています。そのプラスチックを動物たちが飲み込んでいます。いつまでたっても分解しないプラスチックを飲み込む危険性だけでなく、プラスチックに付着・添加している化学物質によって、海や水辺の動物たちが危険にさらされていることを示す研究報告が相次いでいます。
干潟に生息するゴカイが、病原体に対する抵抗力を弱らせ、死亡率が高くなる▽メダカが肝臓に悪影響を受ける▽プラスチックを飲み込んだ海鳥の脂肪組織に化学物質が移行する――。
東京農工大学の高田秀重教授が呼びかけた、浜辺に落ちているプラスチック粒の分析プロジェクトには、南極を除くすべての大陸の各地から試料が送られてきています。分析結果は、かつてPCB(ポリ塩化ビフェニル)などを大量に使用した地域だけでなく、世界中の海がいまだにこれらの化学物質で汚染されていることを示しています。
高田さんは「いつまでも壊れないプラスチックは海の汚染物質を吸着し、生物に悪影響を及ぼします。目の前で起こっていないから大丈夫と目をつむることは原発の“安全神話”と似ています。必要でないものは使わない社会に変えていくべきです」と警告しています。