2013年12月25日(水)
14年度予算案 社会保障
新たな国民負担増
70〜74歳患者 「2割」盛る
|
安倍内閣は24日に閣議決定した来年度予算案に、70〜74歳の患者負担2倍化など社会保障分野で新たな国民負担増を盛り込みました。来年4月からの消費税増税による増収5兆円を社会保障の「充実・安定化」に充てるとしながら、「充実」には10分の1(国と地方で計4962億円)しか使わない内容です。
消費税増税分の大半(4兆4500億円)は、過去のサラリーマン増税や年金増税で確保したはずの基礎年金国庫負担分や、財政赤字の軽減などに使います。事実上、他の財源を消費税に付け替えるものです。一方で年金支給額は「過去の物価下落」を口実に、今年10月の1%減額に続いて、来年4月から1%引き下げます。
増税分のうち社会保障の「充実」に充てる国費はわずか2249億円。企業参入などを進める「待機児童対策」(1348億円)や、急性期病床の強引な削減を進める「病床の機能分化」(249億円)を打ち出しています。難病・小児慢性特定疾患の医療費助成(126億円)なども含まれています。
さらに、薬価を含めた診療報酬の実質1・26%の引き下げや、「適正化」を進めている生活保護費の「伸びの鈍化」などによって、社会保障費の自然増分を9700億円程度(概算要求時)から6200億円程度に大きく削りこみました。
生活保護の生活扶助費については来年4月から、消費税増税を受けて2・9%引き上げる一方、3段階で行う基準引き下げ(今年8月に開始)の2段階目を実施。30代夫婦と幼児の世帯では差し引き0・6%のマイナスになります。
70〜74歳の患者負担(原則1割)は、来年4月に70歳になる人から2割に引き上げます。これまで1割に据え置くために補正予算で確保してきた国費約2千億円を順次削減し、高齢患者の負担に転嫁するものです。