2013年12月26日(木)
築地移転
豊洲一部着工へ「安全宣言」
都技術会議 「ずさん対策」批判も
東京都は24日、築地市場の移転先、豊洲新市場予定地(江東区)の土壌汚染対策工事に関する技術会議(座長=原島文雄・首都大学東京学長)を開催し、一部街区の汚染対策の完了の確認を受け、建設工事着工の「安全宣言」をしました。
新市場予定地は、ベンゼンやシアン化合物などで高濃度汚染されており、対策が完了しないまま見切り発車することに批判があがっています。
同日の技術会議で都中央卸売市場は、7街区(水産卸売場など)で土壌汚染・地下水汚染対策が完了し、5街区(青果卸・仲卸売場)と6街区(水産仲卸売場)の一部で対策を実施中と報告しました。報告では、技術会議の提言による対策が効果を発揮していることを強調し、年度内には残りの街区の対策が完了する見込みであると述べました。
原島座長は、都の報告を受け、一部で対策が完了したことを、確認しました。塚本直之中央卸売市場長は、7街区の管理棟の建設工事に着手したいと語りました。
会議後の記者会見で原島座長は、「汚染対策が順調に進んでいる」と都を擁護。法に基づき土壌汚染がないことを確認するための2年間の地下水のモニタリングすらおこなわないまま「安全宣言」をしたことについての質問に、都を弁護する説明をしました。
都は11月に豊洲新市場建設工事の一般競争入札を行ったものの、4件のうち3件は参加者が辞退したため入札不調となり、契約したのは7街区の管理棟の1件だけでした。都は、年明けに再入札を行う予定です。
会議を傍聴した中沢誠・東京中央市場労働組合書記長の話
都がずさんな欠陥対策で、一部とはいえ「土壌汚染処理を完了した」と称して、豊洲新市場の建設工事に入ろうとするのは、言語道断です。消費者や市場関係者も納得できない欠陥対策に基づく市場移転はやめて、築地での再整備に戻るべきです。