2014年1月8日(水)
猪瀬前都知事告発を受理
「5000万円は闇献金」
市民ら提出 東京地検、捜査を本格化
東京都の猪瀬直樹前知事(67)が医療法人「徳洲会」から5000万円を受領した問題で、東京地検特捜部は7日、市民団体「政治資金オンブズマン」(大阪市)が提出していた猪瀬氏に対する公選法違反容疑などの告発状を受理しました。告発状は、5000万円は猪瀬氏への「闇献金」と指摘しており、捜査が本格化するとみられます。
告発状によると、猪瀬氏は2012年11月、徳田毅衆院議員(42)を通じて徳田虎雄前理事長(75)から選挙資金として5000万円を受け取ったのに、出納責任者に伝えず、都知事選の選挙運動費用収支報告書に記載しなかった公選法違反の疑いがあります。また、一個人から受け取れる寄付金の上限を150万円と定めた政治資金規正法にも違反するとしています。
告発した同オンブズマンは、昨年12月8日に、東京地検に告発状を送付していました。
昨年11月に発覚して以降、猪瀬氏は5000万円について「個人的な借入金」と繰り返してきましたが、説明は二転三転してきました。
日本共産党東京都議団の追及で、東京電力病院の買収を狙う徳洲会への猪瀬氏の便宜供与、贈収賄の疑いが浮上。猪瀬氏は昨年12月24日に都知事を辞職しました。
共産党都議団は、猪瀬氏の疑惑をあいまいにせず、百条委員会を設置するなどして引き続き都議会でも解明することを求めています。
贈収賄の可能性 捜査不可欠
告発した上脇博之神戸学院大教授の話 私たちは、5000万円を「借入金」でなく「闇献金」と考えます。その点をしっかり捜査してほしい。「個人的な借入金」なら資産報告書に記載し、「選挙のための借入金」なら選挙運動収支報告書に記載していたはずです。
5000万円をどこにも記載しなかったのは、この金が政治献金であり、政治資金規正法が定める上限(年間150万円まで)を超える金額だから、と考えざるをえない。そうすると「闇献金」という結論しかありません。
なんのために徳洲会側が闇献金を行い、猪瀬氏が受け取ったのか、捜査を尽くせば、贈収賄に発展していく可能性があると思います。
この闇献金が、徳田虎雄徳洲会理事長(当時)からのものならば、猪瀬氏だけに行ったものか、前任の石原慎太郎元知事にまでさかのぼるのか、徳洲会グループとの癒着が以前からあったのか、などの疑問も浮かんできます。ぜひ、そこまで真相を解明してほしい。