2014年1月26日(日)
諫早開門
漁民「タイラギ全滅」
佐賀説明会 国は打開策示さず
国営諫早湾干拓事業潮受け堤防排水門(長崎県諫早市)の開門義務を国が期限(昨年12月20日)を過ぎても履行しない憲政史上初の異常事態をめぐり、佐賀県や県内有明海沿岸自治体、漁協などでつくる「有明海再生に関する佐賀県関係者連絡会」は25日、白石町で漁業者ら約150人を集めて説明会を開きました。
あいさつした牟田香副知事は「開門されず大変残念。このまま時が過ぎるのは問題だ」と述べました。
開門実務を担う農林水産省幹部らは、国に開門を命じた福岡高裁確定判決(2010年12月)に加え、昨年11月12日に長崎地裁が開門差し止め仮処分を決定したとして、「相反する義務があり、(開門できず)期限を迎えた」と釈明。今後の対応も「長崎県が反対している。話し合いをお願いするしかない」と繰り返すだけで、打開策は示しませんでした。
漁業者は、確定判決から3年間、長崎県との対話も、開門実施に必要な対策工事も「全く進んでいない」と指摘。「相反する義務」との釈明にも「国が対策工事をせず、漁業被害を主張していないから仮処分決定が出された」と批判しました。
有明海漁協大浦支所運営委員長の赤木勝蔵さん(69)は「1年の(生活費の)7割はタイラギ(二枚貝)漁だが、今は全滅といえる状況。開門期限が守られず、お先真っ暗になった」と訴えました。