2014年2月18日(火)
原爆症 再改定基準で9人認定
訴訟全国原告団が発表
被爆者の病気を原爆放射線の影響によるものと認める原爆症認定制度で、申請を却下された被爆者が認定を求める「ノーモア・ヒバクシャ訴訟」を全国で起こしています。同訴訟全国原告団は17日、提訴している109人のうち、昨年12月に再改定された認定基準にもとづいて厚生労働省がおこなった1月の審査で男女9人の原告が認定されたことを明らかにしました。
認定された原告は広島地裁8人、東京地裁1人。心筋梗塞、乳がん、甲状腺機能低下症などが原爆症と認められました。爆心地から1.3〜3.3キロで直接被爆したり、原爆投下翌日に爆心地から0.5〜1キロの範囲に入って被爆したりしていました。
9人のほか、改定前の基準で認定された原告が1人います。
原爆症認定制度をめぐっては、ノーモア・ヒバクシャ訴訟に先行しておこなわれた原爆症認定を求める集団訴訟でのあいつぐ国側敗訴を受けて2008年に認定基準が緩和されました。それでも申請者の半数が却下されるという厳しい審査が続き、昨年12月に認定基準が再度改定されました。
再改定された基準は、病名別に被爆距離や入市被爆の要件を細かく定めるもので、幅広い被爆者を原爆症と認めた司法判断に背を向けるものとなっています。