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2014年3月2日(日)

中国 重度の大気汚染

北京で測定史上最長

国家主席 PM2.5抑制指示

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 【北京=小林拓也】2月20〜26日の1週間にわたり、中国の北京や天津、河北省など広範囲が重度の大気汚染に見舞われました。北京市内は1日中こげくさいにおいのスモッグに覆われ、100メートル先も見えにくい状態。北京市民からは「これはひどすぎる」「のどが痛くなった」などの不満の声が漏れ、多くの人がマスクを着けて移動していました。

 呼吸器障害などを引き起こす微小粒子状物質「PM2・5」の1立方メートル当たりの量は、国際環境基準の10倍以上の300マイクログラム前後で推移。26日には500マイクログラムを超え、測定不能になりました。

 北京市政府の担当者によると、北京市がPM2・5の測定を始めて以降、最も長い時間にわたり汚染が続きました。

 上海市社会科学院などは2月12日、北京は「汚染が極めて深刻で、すでに人類の居住に適さない程度に達した」とする報告を発表。衝撃が広がりました。

 河北省石家荘市の男性は20日、汚染が改善しないのは政府の責任だとして、市環境保護局を相手取り、1万元(約17万円)の損害賠償などを求める訴状を裁判所に提出。大気汚染で政府を訴えた訴訟は中国では初めてです。男性は中国メディアに「市は市民の生命権と健康権を犯した。政府には環境改善の措置をとる責任がある」と訴えています。

 深刻な大気汚染に対し中国政府に危機感が広がっています。25、26日に北京市内を視察した習近平国家主席は「大気汚染対策は北京の発展が直面している最も際立った問題だ」と指摘。「空気の質改善の主要任務はPM2・5の抑制だ」と指示しました。

 中国メディアによると、12日に開かれた国務院常務委員会で、李克強首相は「『霧霾』(スモッグ、「霾」は「土曇り」の意)はネットで使用頻度が最も高い言葉になった。国民生活の改善は急務だ。政府はこの問題を避けて通れない」と強調。「政府は決して『空砲』(効果のない対策)を撃ってはならない」と強い口調で求めました。

 北京市政府によると、大気汚染の主な原因は、工場などでの石炭・石油の燃焼、自動車の排気ガスなど。今回、北京市が大気汚染警報を出した際、市内の147の工業関係企業が操業の停止・減産をしました。

 この間、環境保護省は12の都市に監察チームを派遣。70以上の企業が重度の汚染の中でも規則を守らず操業を続けたとして、その企業名を公表しました。北京市は1日から、重度の汚染でも停止・減産などの措置をとらなかった企業に対し、最高で50万元(約850万円)の罰金を科すことを決めました。


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