2014年3月3日(月)
「われわれの方が失望だ」と米政府を逆批判
衛藤首相補佐官の政治資金
浮かぶ“ミニ安倍”ぶり
議員歴、資金源、支出も
安倍首相の靖国参拝に対する米国政府の「失望」表明を、「われわれの方がディサポインテッド(失望)だ」と逆批判した衛藤晟一(せいいち)首相補佐官(参院議員)。「大東亜戦争の真実や戦没者の顕彰」を掲げる「靖国」派勢力の横断的団体、「日本会議」の国会議員懇談会幹事長を務める超保守派の政治家で、首相の側近の一人ですが、政治資金を調べてみると、“ミニ安倍”ぶりが浮かび上がってきます。
衛藤氏は、大分市議、大分県議を経て、1990年の総選挙で衆院議員に初当選。4期務めた後、2005年の総選挙で落選し、07年の参院選比例区で当選、現在2期目です。
この間、自民党社会部会長や衆院厚生労働委員長、厚生労働副大臣を歴任するなど、安倍首相と同じく「社労族」の有力メンバーです。
「資金源」も似ています。
改憲団体に会費
衛藤氏の資金管理団体「新世紀政策研究会」の12年の政治資金収支報告書によると、「『えとうせいいち』と明日を語る会」と銘うった政治資金集めパーティーを東京、大阪、大分で計4回開催、約4450万円の収入があります。パーティー券を購入していたのは、日本薬剤師連盟300万円、製薬産業政治連盟160万円、日本精神科病院政治連盟、日本薬業政治連盟各30万円など。
支出では、「組織活動費(渉外費)」で、目立つのは、改憲団体への会費。「今こそ改憲と国防軍の創設を」などとキャンペーンをする「国家基本問題研究所」(桜井よしこ理事長)に10万円、教育基本法改正運動などに取り組んでいる「日本協議会・日本青年協議会」に24万円、「日本政策研究センター」に10万円、大分県防衛協会に3万円、それぞれ支出しています。靖国神社社務所に「献灯」として1万2000円を支出しています。
「調査研究費(資料費)」では、日本会議に書籍代1万1300円、日本協議会・日本青年協議会に「祖国と青年」購読代9万円を支出しています。
このほか、12年11月、米紙に掲載された日本軍「慰安婦」問題を否定する意見広告に、衛藤氏、安倍首相とともに賛同者として名前を連ねた稲田朋美行政改革担当相、新藤義孝総務相、古屋圭司国家公安委員長、高市早苗政調会長などの“お仲間”や、徳洲会事件の徳田毅前衆院議員など、約70人の政治家のパーティー券を購入しています。
安倍首相の179回には及ばないものの、赤坂の料亭や横浜市の中華料理店、地元大分市のすし屋、ふぐ処などで計52回の飲み食いも。
すべて人件費に
衛藤氏が支部長の「自民党東京都参議院比例区第七十八支部」の12年の政治資金収支報告書によると、収入は1591万6000円の企業・団体献金、国民の税金である政党助成金が1000万円、大分県医師連盟300万円、日本薬剤師連盟200万円など、医療関係の政治団体から計564万円の献金など。
政党交付金使途等報告書によると、1000万円の政党助成金はすべて人件費に使っています。