「しんぶん赤旗」
日本共産党
メール

申し込み記者募集・見学会主張とコラム電話相談キーワードPRグッズ
日本共産党しんぶん赤旗前頁に戻る

2014年3月13日(木)

春闘ベア回答

要求に満たない低額 大企業責任果たさず

このエントリーをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 mixiチェック

 2014年春闘で、大手各社が12日、ベースアップ(ベア)回答をしたことは、5年にわたってベアゼロが続いたことから見れば当然です。しかし、多くが労働組合の要求に満たない低額回答にとどまるという問題を残しました。

 今春闘は、労働者の生活改善と「デフレ脱却」にむけて、ベア実施を最大の焦点にたたかわれています。しかし、この回答では、労働者のくらしにとっても、日本経済にとっても、大きな改善は望めません。

 労働者は長年の賃金抑制のもとで、賃金のピークだった1997年に比べて、2012年には年収で約60万円も低下しました。

 背景には、大企業・財界の「総額人件費抑制」戦略があります。正社員での定期賃金の抑制と非正規雇用労働者の増加がそれです。長引く「デフレ不況」の最大の原因は、労働者の賃金低下です。

 とりわけ、今春闘の大きな問題になっているのが、今年4月からねらわれる消費税増税です。税率が8%になれば、実質2%の賃下げになり、労働者の生活に追いうちをかけることになります。大企業の各労組が提出した要求は1%分の賃上げという最低限の要求でした。

 しかし、トヨタで月額ベア4000円の要求に、回答は2700円。電機産業では、4000円の要求に横並びで2000円を回答。鉄鋼・重機ではベア要求3500円に対して、1000円でした。

 資本金10億円以上の大企業は、272兆円(全労連・労働総研調べ)という空前の規模に達した内部留保を抱えています。円安などにより業績も大きく改善しています。労組のベア要求に満額でこたえる条件は十分にあります。

 さらに、昨年の政労使会議の合意では、復興特別法人税を1年前倒しで廃止することになっています。

 業績が下がれば連動して下がる一時金で対応しても、この低額回答では安定した景気回復は望めません。今春闘で、大企業が社会的責任を果たしたとは、到底いえるものではありません。

 いま求められていることは、非正規雇用労働者を含むすべての労働者の大幅賃上げによる、くらしの改善です。ここにこそ「デフレ脱却」の確かな道があります。

 (行沢寛史)


見本紙 購読 ページの上にもどる
日本共産党 (c)日本共産党中央委員会 ご利用にあたって