2014年3月23日(日)
このままTPP交渉を続けたら
関税撤廃は避けられない
大学教員の会シンポ
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環太平洋連携協定(TPP)に関するシンポジウム「TPP交渉 焦眉の論点を考える」が22日、東京都内で開かれ、報告と討論を通じて、TPP交渉の危険な現状が明らかにされました。シンポジウムは、「TPP参加交渉からの即時脱退を求める大学教員の会」などが主催。会場は約100人の参加者で埋まりました。慶応義塾大学の金子勝教授が司会しました。
報告者を務めた大妻女子大学の田代洋一教授は、TPP交渉をこのまま続ければ、国会決議で守るとした農産物重要5項目の関税の撤廃も避けられないことが判明したと指摘。交渉から脱退すべきときだと強調しました。
横浜国立大学の萩原伸次郎名誉教授は、多国籍企業のためのTPPではなく、各国の経済主権や食料主権を尊重した経済関係が必要だと述べました。
TPPは庶民に直結した大問題だと訴えた佐久総合病院(長野県)の色平哲郎(いろひら・てつろう)医師は、薬価の上昇、混合診療の増加、国民皆保険制度の崩壊など、国民生活に重大な影響があると指摘しました。
TPP交渉は、2月の閣僚会合が「大筋合意」に至らなかったものの、日本や米国の政府はなお早期妥結を目指しています。シンポジウムは、TPP交渉撤退を求める声を強めるため開かれました。会場では、30日に東京・日比谷野外音楽堂で行われる「もうやめよう!TPP交渉3・30大行動」への参加も呼びかけられました。