2014年3月27日(木)
核安保サミット
国際的枠組み強化へ
コミュニケ発表 核物質保有最少化約す
【パリ=浅田信幸】オランダのハーグで開かれた第3回核安全保障サミットは25日、核兵器に転用可能な高濃縮ウランやプルトニウムの保有量を各国が最小限に抑え、核安保の国際的枠組みを強化する必要性などをうたったコミュニケを発表し、2日間の日程を終えました。
サミットの目的は、核物質がテロリストの手に渡るのを防止することにあり、そのため(1)核物質の保有量の削減(2)核物質の安全保障の改善(3)国際協力の推進―の3方向で各国の取り組みを強めることが目指されています。
サミットでは、26カ国がこの間、核物質保有量の削減に取り組み、核兵器の500発分に相当する高濃縮ウランが低濃縮に変えられたことが明らかにされ、13カ国が次回までに「高濃縮ウラン・ゼロ」実現を誓約した共同声明を発表しました。
またサミットの中では、米国とオランダ、韓国がイニシアチブをとり、日本も含む35カ国が核安全保障の強化のため国際原子力機関(IAEA)の行動指針の実行と国際協力の推進を誓約する共同宣言を発表しました。核兵器を持つロシア、中国、インド、パキスタンはこれに参加していません。
閉会の発言でオバマ米大統領は、「核安全保障へのアプローチで基本的な変化が生まれているが、民生用、軍事用を問わずすべての核物質を安全にする目標達成に向け、すべきことはまだ多い」と述べました。
核安保サミットはオバマ氏の提唱で2010年に第1回がワシントンで、第2回は12年に韓国のソウルで開催。今回のハーグには57の国・機関の代表が招かれました。次回は16年に米国のシカゴで開かれます。