2014年3月29日(土)
5人を原爆症認定
国の却下 取り消し
熊本地裁 新基準の誤り示す
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熊本県内の被爆者8人が原爆症の認定を求めた第2次熊本原爆症訴訟で、熊本地裁(中村心裁判長)は28日、原告8人のうち5人について原爆症の認定申請を却下した国の処分を取り消し、原爆症と認めました。残り3人については、却下処分の取り消しを認めませんでした。損害賠償請求は棄却しました。
原告8人は、昨年12月に厚生労働省が改定した新しい認定基準でも原爆症と認められていませんでした。今回の判決は、20日の大阪地裁判決に続き、新基準の誤りを示す形となり、国の原爆症認定のあり方の問題点が浮き彫りとなりました。
原告らは原爆投下時、長崎市内で被爆。2011年から12年にかけて却下取り消しを求め提訴していました。
寺内大介弁護士は判決後の報告集会で「厚労省が認定すべきなのにしなかったことが違法だと明確に判決した。5人の勝訴が3人の次なるたたかいの大きな力となる。全員救済に向けてさらに頑張っていく」と力を込めました。原告の山中輝雄さん(69)は会見で「われわれも後がありません。簡単に認定されるシステムにしてほしい」と語りました。
原告団と弁護団は、国が控訴を断念し「司法と行政の乖離(かいり)を解消すべく原爆症認定制度を抜本的に改定するよう強く求める」とする声明を発表しました。