2014年3月31日(月)
「限定行使」ありえない
集団的自衛権 山下氏が批判
NHK
30日のNHK「日曜討論」で、集団的自衛権の行使容認の是非をめぐって討論となりました。日本共産党の山下芳生書記局長は、政府・自民党の一部で浮上している、“他国の領土に入らない”“公海上に限る”などといった「限定的行使容認」論を厳しく批判しました。
山下氏は、「集団的自衛権とは、米国などが攻撃されたときに、日本が直接攻撃されていなくても武力行使できるようにすることだと、安倍晋三首相も国会で認めた。日本が攻められてもいないのに自衛隊員を海外の戦場に送り出して命を危険にさらし、外国の人の命を奪うことになる。こんな重大なことを憲法解釈の変更でやることは絶対に許されない」と指摘。「限定的(行使)と言っても、日本に対する武力攻撃がなければ、武力行使は絶対に認められなかったのを、日本に対する武力攻撃がなくても、同盟国アメリカが戦争を始めたら日本も一緒に出かける。これはまったく違います」と批判しました。
司会の島田敏男解説委員は、「根っこの部分がちがうわけですね」と応じました。
自民党の石破茂幹事長は31日から始まる首相直属機関での協議について、「論点は多々あるが、どうすれば戦争にならないかを議論する」と発言。これについて山下氏は「戦争にならないためにはまず外交だ。北朝鮮問題も、日本を含む関係国が6カ国協議で解決しようと努力している」と指摘しました。
その上で、「日本はイラクやインド洋に派兵したが、憲法9条が歯止めになって“戦闘地域に行かない”“武力行使はしない”ということになった。集団的自衛権の行使容認になると、この歯止めが取り払われる。戦争にならないどころか、逆にこれまでできなかった戦争をできるようにするのが集団的自衛権だ」と反論しました。