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2014年4月19日(土)

主張

日米交渉とTPP

暮らしと主権守る緊急行動を

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 安倍晋三政権が「アベノミクス」の柱と位置づける環太平洋連携協定(TPP)についての日米交渉を、24日の日米首脳会談までに大筋合意しようという動きが加速しています。甘利明担当相が訪米して17日からおこなっているフロマン米通商代表部(USTR)代表との閣僚級交渉でも、コメや牛肉・豚肉など農産品の関税撤廃や輸入自動車の安全基準見直しなどで、日本側の大幅な譲歩が迫られています。首脳会議に合わせて合意を急ぐのは、国民の要求や国会決議を無視したきわめて危険な動きです。

問われるのは国のあり方

 そもそもTPP交渉は、農産品や工業製品などの関税を原則撤廃し、国民の暮らしに関わる安全などの基準についても貿易の障害になるものは認めないなど、それこそ「国のあり方」に関わるものです。交渉は秘密交渉のため真相は不明ですが、各国の利害が対立し難航していると伝えられます。

 そのTPP交渉を進展させるには日米での合意が大事だと、日米両政府が進めているのがオバマ大統領の来日までに大筋合意しようとしている日米交渉です。しかしその日米の交渉でも農産物の関税撤廃や輸入自動車の安全基準見直しなどをアメリカが主張しており、そのことだけでもTPP参加の危険性は明白です。

 甘利担当相とフロマン代表との大詰めの交渉では農産品の関税を一部残すことなどが話し合われているといわれます。しかし、安倍政権を含め歴代政府が守ると約束してきた国会決議では、コメ、麦、牛肉、豚肉、甘味資源作物など農林水産物の再生産が可能となるよう、関税撤廃から除外することや、段階的な関税撤廃も含まないとしています。「聖域が確保できないと判明した場合は(交渉)脱退も辞さない」としており、関税撤廃の一部除外や段階的引き下げでも、国会決議に反します。

 TPP交渉をめぐって、農産物関税をめぐる日米間の対立だけに焦点があてられ、日本の大幅譲歩が妥結のカギであるかのような報道が繰り返されているのは異常です。日本のTPP参加が日本の農業と国民の食の安全はもちろん、医療、雇用、地域経済などあらゆる面で国民の暮らしと経済に大きな打撃になるのは明らかです。国民の暮らしも主権も守れません。

 安倍政権は先にオーストラリアとの経済連携協定(EPA)に大筋合意し、オーストラリアの自動車関税撤廃と引き換えに日本が牛肉輸入の関税を大幅に削減すると決めましたが、完全撤廃を求めるアメリカはそれさえ認めていません。日豪EPAがぎりぎりの線だなどと譲歩を重ねる日本政府の交渉姿勢は、きわめて危険です。

TPP反対の国民的連帯

 農業関係者や消費者、医療関係者などを中心にTPPに反対する粘り強い運動が続けられていますが、いま大事なことは、農業はもとより、食の安全、雇用、地域経済など、あらゆる分野に打撃をあたえるTPPの本質を明らかにし、交渉からの撤退をもとめる世論を急速に高めることです。

 3月30日に「もうやめよう行動」を成功させた実行委員会は、22日に官邸前などでの緊急行動をよびかけています。国民的共同をひろげ、全国各地で集会、宣伝などの緊急行動を展開しましょう。


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