2014年4月21日(月)
水俣病患者会が調査
潜在被害者掘り起こしへ聴取
鹿児島・伊佐
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水俣病不知火(しらぬい)患者会は17、18の両日、鹿児島県北の山間部にある伊佐市で、潜在被害者の掘り起こしに取り組む水俣病検診の聞き取り調査を行いました。住民ら60人が参加しました。
伊佐市は、熊本県水俣市に隣接しています。調査では、汚染魚の摂取歴や居住歴、水俣病特有のしびれ、こむら返りなどの有無を、1人あたり2時間かけ丁寧に調べました。
患者会によると、水俣病特別措置法に申請した同市布計(ふけ)地区の22人のなかで、6人が熊本県から「該当」、1人は被害者手帳の交付、1人が「非該当」と判定されました。12人は今月、鹿児島県が「非該当」と判定。2人は公的検診を受け判定待ちとなっています。「非該当」と判定された住民や今回の調査に参加した人のほとんどが、未認定患者救済を求める損害賠償訴訟に追加提訴する予定です。
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初めて参加した女性(68)は、手がしびれ、物をよく落とすと話し「姉は特措法で『該当』と判定された。当時申請しなかった私はあきらめていたが、今回は勇気を持って裁判に訴えたい」と話しました。
患者会の伊佐地区世話人(77)は「症状がある人は勇気をもって裁判に立ち上がってほしい。まだ氷山の一角である患者を今後掘り起こし、行商ルートを認定地域にしてほしい」と訴えました。
問診に取り組んだ、水俣病闘争支援熊本県連絡会議の原田敏郎事務局長は「多くの方が水俣病の症状で苦しんでいると感じた」と話しました。