2014年4月26日(土)
「クラブ」元経営者に無罪
ダンスは秩序乱さない 大阪地裁
若者を中心にダンスをする「クラブ」をめぐって「許可なく営業した」として風俗営業法違反罪に問われた元経営者の金光正年氏に対し、大阪地裁(斎藤正人裁判長)は25日、「性風俗秩序を乱すおそれのあるものとはいえない」として無罪を言い渡しました。
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判決後の報告集会で、金光氏は「ほっとした。最終目的は風営法改正なので、この結果を持ってさらに運動していきたい」と語りました。
近年、全国で「風営法」を根拠としたダンスクラブの摘発が相次いでいます。金光氏は2012年4月、大阪市北区のクラブ「NOON(ヌーン)」で、「許可を得ず、客にダンスをさせ、かつ飲食させる営業」を行ったとして起訴されていました。
判決は、風営法の営業規制は「善良な風俗及び、清浄な風俗環境を保持し、青少年の健全な育成を保護」が目的だとしたうえで、ヌーンの営業は性風俗を乱す恐れがあるとはいえないと認定しました。
金光氏と弁護団は、風俗や文化が大きく変化するなか、制定後60年以上たつダンス営業規制は実質的根拠を失っており、犯罪が成立しないと主張。憲法の保障する表現の自由、職業選択の自由を侵害するとして無罪を訴えていました。
西川研一弁護団長は、ダンス営業規制が直ちに違憲とはされなかったものの「クラブ経営者の企画や客のダンスが、憲法の保障が及ぶ表現行為に該当し得ることに触れた点でも画期的」と強調。公判で捜査のずさんさが明らかとなったとして、二度と不当な捜査・摘発を行わないこと、時代遅れのダンス規制を撤廃するよう求めました。