2014年4月28日(月)
TPP 不利益では納得せず
米大統領にマレーシア首相強調
【ハノイ=松本眞志】オバマ米大統領は27日、米大統領として48年ぶりに訪問したマレーシアのプトラジャヤで、同国のナジブ首相と会談しました。中国と一部東南アジア諸国の領有権・管轄権争いが続く南シナ海の問題や環太平洋連携協定(TPP)交渉などが主要な議題となりました。
南シナ海問題ではナジブ氏が、国連海洋法条約など国際法を正面にすえた問題解決が重要との認識で一致したと強調。オバマ氏は「脅迫や圧力を用いず、対話を通じて紛争を平和的に解決する」「全ての国は国際法や国際的ルールを守らなければならない」とした東南アジア諸国連合(ASEAN)の見解に同意すると述べました。
TPP問題でオバマ氏は、マレーシアが2020年までに高所得国になる上でも参加が重要だと発言しました。ナジブ氏は自由貿易に原則賛成だとしながら、「自由貿易協定では一部に敗者が生まれる。利益が不利益を大きく上回る状況がないと国民の納得は得られない」などと指摘。「国内の困難と微妙な問題について、会談でオバマ氏が全面的に理解してくれた」と述べました。
「米国が立場の弱いマレーシアに無理やり参加を求めているのではないか」との記者の質問にオバマ氏は、「結論に飛びつく前に最終合意がどうなるのか、よくみて判断してほしい」と釈明する一幕もありました。
また会談で両首脳は、両国関係を新たな「包括的パートナーシップ」に格上げすることで合意しました。