2014年5月11日(日)
行動計画実施呼び掛け
国連 NPT準備委員会が閉幕
【ニューヨーク=島田峰隆】2015年に開かれる核不拡散条約(NPT)再検討会議に向けて国連本部で開かれていた第3回準備委員会は9日、2010年再検討会議で合意した行動計画の「迅速かつ完全な実施」などを求める議長の勧告をまとめて2週間の日程を終えました。
議論では非同盟諸国をはじめ多くの国が核兵器禁止条約の早期交渉開始など核兵器のない世界への具体的措置を求めましたが核保有国が反発し、対立は埋まりませんでした。勧告案は採択されず、議長の権限で作業文書としてまとめられました。
勧告は核軍備の縮小、撤廃へ誠実な交渉を行うとしたNPT第6条や、これまでの再検討会議の合意を「すべての締約国が全面実施する重要性を再確認する」と指摘しています。
そのための措置として、来年の再検討会議が▽核兵器使用による壊滅的な人道的結果と、核兵器のない世界を目指す各国政府と市民社会の新しい提案やイニシアチブを考慮する▽核保有国が条約上の義務に基づいて核軍縮交渉に取り組むことなどを求めた国連事務総長の5項目の提案に注目する―ことなどを勧告しました。
地域問題では延期されている中東非核化地帯を目指す国際会議開催の重要性を強調。北朝鮮がこれ以上核実験をせずに国際合意を守り、問題の平和解決に向けた外交対話を再開することなどを呼び掛けました。