2014年5月23日(金)
何の歯止めにもならない
集団的自衛権の限定容認論 井上氏が批判
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日本共産党の井上哲士議員は22日の参院外交防衛委員会で、集団的自衛権を「限定的」に容認するなどとした安保法制懇の報告書について「憲法による権力の縛りをなくせば、何の歯止めにもならない」と批判しました。
井上氏は、集団的自衛権を行使する際の政府判断の基準として報告書が「日本への直接攻撃に結びつく蓋然(がいぜん)性」「日米同盟の信頼が著しく傷つく」などの五つをあげている点について「すべて満たす必要があるのか」とただしました。
武藤義哉内閣官房審議官は「5点すべてを満たした場合という記述はない」と答弁。日本への深刻な影響などがなくても「日米同盟」を理由に政府の判断で集団的自衛権の行使ができることが明らかになりました。
井上氏は、イラク戦争やアフガン戦争などでのアメリカの武力行使に日本が常に賛成してきたことをあげ、「アメリカに(参戦を)求められれば断ることができない」と批判しました。
また、報告書が集団的自衛権の行使の“歯止め”として盛り込んだとする6要件についても、井上氏は「(六つのうち三つは)国際法上の一般ルールであり“歯止め”ではない」と批判しました。