2014年5月23日(金)
小規模農業活性化こそ
農政改革2法案参考人質疑 紙氏が質問
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参院農林水産委員会は22日、農業の大規模化や企業参入の加速化を進める農政改革2法案の参考人質疑を行い、農業従事者や研究者らが意見陳述しました。日本共産党の紙智子議員が質問しました。
愛媛大学の村田武客員教授は、安倍政権が農政改革で米の価格を市場任せにすることを「遅れてきた新自由主義だ」と批判。先行して同様の政策を進めたドイツでは乳価が日本の半分にまで下落し酪農家が急激に減少したと示し、「本格的な担い手経営が成立していない日本でなぜこんな政策をやる余裕があるのか」と語りました。
紙氏は、家族農業や小規模農業が持つ社会的役割とその国際的な位置づけについて質問しました。
村田氏は国連世界食料安全保障委員会の報告(昨年6月)の趣旨を解説し、「家族農業と生産者組織を一体で農村を活性化しなければ、リーマン・ショック以来の不況と地域経済の破綻は克服できないというのが国連のメッセージだ」と述べました。
法案が賃貸借で農地を集積して大規模化や企業参入を進めることに関連し、島根県出雲市で農地33ヘクタールを作業受託する勝部農産の勝部喜政代表取締役は、「農業によって支えられた集落・地域社会のつながりの希薄化」が起きる懸念を指摘し、「経営的には農地の集積に賛成だが、離農によって地域のコミュニティーが薄れてしまうというマイナス面がある」と語りました。