2014年5月24日(土)
農業委員会の見直し
要望ない「改革案」
紙議員
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日本共産党の紙智子議員は22日の参院農林水産委員会で、安倍晋三首相が表明している農業協同組合(JA)や農業委員会の見直しについて質問し、これに関する改革案を提言した政府の規制改革会議の意見聴取では農業関係者から見直しを求める要望が一切出ていなかったことを明らかにしました。
この問題をめぐっては、安倍晋三首相が19日の産業競争力会議で(1)農業委員会の見直し(2)農地を所有できる法人の要件の見直し(3)JAのあり方の抜本的見直し―の3点を「セットで断行する」と表明しています。
紙氏は、規制改革会議が首相に提言した改革案「農業改革に関する意見」(14日)が実行されれば、「農業・農村の解体につながる」と指摘。改革案が求める農協の中央会制度の廃止や、農業委員会系統組織でつくる全国農業会議所の廃止について「農業関係者から要望が出されたのか」と確認しました。
内閣府の後藤田正純副大臣は、改革案の取りまとめにあたって大規模農業者、若手の新規参入者、農業団体、学識経験者などから広範に意見聴取したと説明したうえで、「廃止要望は出されなかった」と認めました。
紙氏は、「要望も出されていない改革案を推進するのか。農業関係者の信頼を損なう」と追及。林芳正農水相は、与党と協議して改革案を早急に検討し、今年6月に改定する予定の「農林水産業・地域の活力創造プラン」に盛り込みたいとしました。