2014年5月26日(月)
「邦人防護」は国民説明用
集団的自衛権 首相事例で政府答弁
赤嶺氏批判
政府は23日の衆院内閣委員会で、安倍晋三首相が記者会見(15日)で集団的自衛権の必要性を力説した「邦人輸送中の米艦防護」の事例について、首相の「国民説明用」との認識を示しました。
同委員会で日本共産党の赤嶺政賢議員が、首相があげた事例について「また新しい事例が出てきた。有識者懇談会の事例とも違う」と指摘。国家安全保障局の武藤義哉審議官は「首相は国民に理解していただく観点から説明されたということだ」と述べました。
赤嶺氏は、在外邦人の退避は民間航空機や船舶のチャーターなどで対処すべきであり、首相が示した事例があったとしても米軍が自ら警戒態勢をとらないことは想定しがたいと指摘。この事例について、日米間で協議されたことがあるのかとただしました。
武藤審議官は懇談会報告書があげた6事例について「日米間の協議にもとづいての内容ではない」と明らかにする一方、首相の事例については「内容が機微にわたるものについては(答弁を)控えさせていただきたい」と言及を避けました。
赤嶺氏は、「さまざまな前提を抜きに、ありえない想定を議論するのは非常に危ういやり方だ」と指摘。2004年のイラク人質事件で当時の政府・与党が自己責任論を強調した経緯をあげ、「ためにする議論はやめるべきだ」と批判しました。