2014年5月26日(月)
マックなど米ファストフードCEO高収入 株主も批判
「格差拡大は経済を危うく」
年収は一般労働者の1000年分
【ワシントン=島田峰隆】米国のファストフード企業で、最高経営責任者(CEO)が労働者を低賃金で働かせながら自らは高額収入を得ていることに批判が広がる中、これらの企業の株主総会でも懸念の声や是正の要求が相次いでいます。
ファストフード大手マクドナルドは22日、中西部イリノイ州オークブルックで株主総会を開催。総会当日と前日には同社本部近くで、労働者が最低賃金の引き上げと労働組合の結成権を求めて集会を開きました。
同社の株主であるニューヨーク市年金基金を管理するスコット・ストリンガー同市会計監査官は22日、米メディアへの寄稿で、ファストフード業界では一般労働者とCEOの収入に「衝撃的な格差」があり、「格差拡大は経済全体を危うくしている」と批判。ロイター通信とのインタビューでは「低賃金労働者が消費するお金を持たないと経済は成長しない」と訴えました。同社CEOのトンプソン氏は昨年、950万ドル(約9億7千万円)の収入を得ています。
メキシコ料理のファストフード・チェーン店チポトレが今月中旬に、西部コロラド州デンバーで開いた株主総会では、同社CEOが受け取る報酬の是非について投票が行われました。承認した株主はわずか23%で、圧倒的多数が高額報酬を拒否しました。
同社の共同CEO、スティーブ・エルズ氏とモンティ・モラン氏は昨年、それぞれ2510万ドル(約25億5千万円)、2440万ドル(約24億8千万円)の収入を得ています。ニューヨーク・タイムズ紙によると、同社の一般労働者がCEOの1年分の収入を得るには1000年以上働く必要があります。
投票結果に拘束力はありませんが、同社のクリス・アルノルド報道担当者はロイター通信に「結果を重く受け止める」と話しています。