2014年6月7日(土)
諫早開門 国の抗告を棄却
福岡高裁 制裁金支払い再命令
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国営諫早湾干拓事業の排水門の開門を命じた確定判決に従わない国に対し、「よみがえれ!有明訴訟」の原告・漁業者らが開門するまでの制裁金支払いを申し立てていた「間接強制」で、福岡高裁(一志泰滋裁判長)は6日、制裁金支払いを命じた佐賀地裁の決定を支持し、国の抗告を棄却しました。
決定では、国の主張について、地元自治体などの反対によって農業被害対策工事ができないことや、長崎地裁の開門差し止め仮処分決定などにより開門できないとするが、工事実施が開門の条件とはなっておらず、国の意思のみで開門することができると指摘。「原決定通りに認めるのが相当」と再度支払いを命じました。
佐賀地裁の決定は、今月12日以降、49人の原告に、1人につき1日1万円を支払うよう国に命じています。
一方、同事業をめぐっては長崎地裁が5日、開門した場合、今回の決定と同額の49万円の制裁金を支払うよう命じる仮処分を決定しました。
訴訟弁護団・原告団は声明を発表。国は開門義務と非開門義務のはざまで身動きがとれないかのように混迷を演出しているが、開門を回避したいという態度が透けて見えているとのべ、矛盾の解消は、開門による悪影響がでないよう事前準備をしっかりし、不安をもつ人に説明責任を果たすことだとしています。
馬奈木昭雄弁護団長は「私たちの主張がそのまま認められた。国の義務衝突という言い訳は欺瞞(ぎまん)。解決策は一つ。農業被害対策をしっかりした上で直ちに開門に着手すべきだ。有明海再生まで頑張りぬく」と話しました。