2014年6月14日(土)
法人税引き下げ明記 数年で20%台へ
「骨太の方針」素案 社会保障削減 狙う
政府の経済財政諮問会議は13日の会合で、経済財政運営の基本指針「骨太の方針」素案を決定しました。今月中の閣議決定を目指しています。素案には、国と地方の法人課税を合わせた法人実効税率を「20%台まで引き下げる」ことが明記されました。
会合に先立ち、安倍晋三首相は記者団に対し、現在約35%の法人実効税率について「数年間で20%台に引き下げることを目指す。来年度から(引き下げを)開始する」と表明しました。
法人実効税率を20%台まで下げるためには、少なくとも2兆5000億円の財源が必要となります。しかし、素案では財源を具体的に示さず、年末の税制「改正」に向けた論議で決めるとしました。配偶者控除の廃止・縮小や、赤字企業でも負担する法人事業税(地方税)の外形標準課税の強化などが検討されています。
「財政健全化」の目標として、政策経費を税金などで賄えているかどうかを示す基礎的財政収支について、2015年度までに赤字を国内総生産(GDP)比で半減し、20年度までに黒字化を目指すとしました。
そのために、社会保障の削減を狙っています。医療や介護を中心に「自然増」含めて給付を抑制すると明記。また、年金給付額の削減や給付年齢の引き上げなど、「年金受給のあり方」などについて検討するとしています。生活保護の住宅扶助などの削減を15年度から行うことも盛り込みました。
来年10月に消費税率を10%に引き上げることについては、年内に「判断を行う」としています。
エネルギーでは「原子力発電所の再稼働をすすめる」ために「国も前面に」立つと宣言。公共事業では大都市圏環状道路など「国際競争力を強化するインフラ」に重点化するとしました。