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2014年6月21日(土)

ローカル局の地域性確保が困難に 国民の知る権利後退

放送法改定案を批判 吉良議員

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(写真)質問する吉良よし子議員(奥)=19日、参院総務委

 20日に成立した一部改定の放送法、電波法は、認定放送持ち株会社(主にキー局)によるローカル局の株式の保有の規制緩和や、NHKのインターネット業務の拡大などが主な内容です。日本共産党は、ローカル局の地域性確保が困難になり国民の知る権利の後退につながるとして反対しました。

 放送法は「放送の多元性、多様性、地域性」の原則のもと、放送の表現の自由をできるだけ多くの者が享有できるよう定めています。しかし改定案は、ローカル局の経営難を理由に、その原則を緩和して同一番組を複数県域で放送できるようにします。

 日本共産党の吉良よし子参院議員は19日の総務委員会で、改定案は地域性の源であるローカル局の自社番組制作力を低下させかねないと指摘して、KBS京都の例を紹介しました。

 同社は1989年のイトマン事件に関連し、倒産の危機に陥りましたが、2007年に会社更生を果たしました。再建を通じて、市民の企画した番組の放送など、市民・地域に密着した自社番組づくりに取り組んできました。吉良氏は、KBS番組制作者の「他局から番組をもらえばいいというのは、制作部門はいらないということ」という言葉をひき、改定案の問題点を明らかにしました。

 新藤義孝総務相はKBSの取り組みについて、「地元住民からの愛着に応える、地域に密着したより良い放送、ローカル局ならではの放送を続けていってほしい」と評価。吉良氏は、どのローカル局でも番組制作を続けられるような支援を強めていくよう政府に求めました。

 また吉良氏は、改定案で業務が拡大されるNHKの新たな業務を現執行部のもとで行うことが妥当かと指摘したうえで、籾井会長の資質をただしました。

 NHK理事の人事案は、これまで事前に経営委員会に示すことが慣例でした。しかし籾井会長は4月、独断で経営委員会当日に人事案を提示。経営委員から疑問の声があがりました。

 吉良氏は、「自らが監督を受けるべき経営委員会の上に自分を置く、自らがルールだといわんばかりの権力的なふるまいだ」と批判。経営委員長に「断固たる決断を下すべきだ」と会長罷免を求めました。浜田健一郎経営委員長は、「吉良委員が言ったような状況ではない」と否定し、籾井会長を擁護する発言に終始しました。


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