2014年6月27日(金)
ウナギ激減検証迫る
紙氏 開発で漁業に影響か
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日本共産党の紙智子議員は19日の参院農林水産委員会で、国際自然保護連合が発表した「レッドリスト」にニホンウナギが絶滅危惧種として掲載された問題で、「ワシントン条約付属書に掲載されれば、どのような影響が出るのか」とただしました。水産庁の本川一善長官は、国際的な輸出入は制限されるが、輸入によらない国内生産は可能との見通しを示しました。
紙氏は、かつて“ウナギの宝庫”といわれた利根川、霞ケ浦、那珂(なか)川で漁獲量が激減した背景に、1963年に完成した常陸川水門などの影響があると指摘し、「開発が漁業にどのような影響を与えたのか、分析・検証すべきだ」と迫りました。本川長官は「ウナギに限らず内水面の漁業に影響が生じている」との認識を示し、分析・検証に「努力していく」と述べました。
紙氏は、内水面漁業の振興の観点から、同3河川を結ぶ地下トンネルの建設など、現在も開発が進んでいる「霞ヶ浦導水事業」の検証を求めました。
同事業に対し学識経験者から「生物多様性が撹乱(かくらん)される」との意見が出ており、地元漁協は漁業権が侵害されると抗議しています。林芳正農水相は「(事業者と漁業者間の)十分な話し合いが重要」「農水省として役割を果たしたい」と述べました。