2014年7月4日(金)
北朝鮮「特別調査委」設置へ
「特殊機関」が解明の障害 日本共産党は繰り返し提起
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政府は3日、北朝鮮が日本人拉致被害者らの再調査のための「特別調査委員会」を4日に立ち上げることをうけ、北朝鮮に対する日本独自の制裁の一部を解除する方針を発表しました。
日本、北朝鮮両政府の動きは、6カ国協議共同声明(2005年9月)で確認された、「約束対約束、行動対行動」の原則に沿うものであり、事態の前向きな打開に向けた最初の一歩として重要です。
菅義偉官房長官は同日の記者会見で、重要点として、「特別調査委員会」が、北朝鮮の最高機関である国防委員会から全ての機関を調査する特別の権限が付与されていることとともに、その参加機関に国家安全保衛部、人民保安部、人民武力部等が含まれていることをあげました。
「特別調査委員会」は、真相解明の障害となってきた北朝鮮の「特殊機関」に再調査のなかでメスが入れられるかどうかが焦点でした。この点について菅氏は、「一定の調査を行う体制が整っていると判断した」と言明しました。
日本共産党は、北朝鮮の「特殊機関」が拉致問題の真相解明の障害になっていることを一貫して指摘し、真相解明にむけて「正面からメスを入れられる相手との強力な交渉」を政府に提唱してきました。
04年には志位和夫委員長が、日朝両国政府間の協議で、拉致問題に十分な責任を負い、権限を持つ人物を交渉の場につけることを北朝鮮政府に要求するように小泉純一郎首相(当時)に要請しました。これに対し小泉氏は「提案については十分に斟酌(しんしゃく)して対応したい」と答えていました。先の通常国会でも山下芳生書記局長や笠井亮衆院議員がこの問題を正面から提起しました。
今回の「特別調査委員会」に強い権限が付与された人員で構成されていることは注目に値します。同時に、北朝鮮が、「特別調査委員会」の下で調査を迅速、確実に行うことが求められています。 (山田英明)