2014年7月6日(日)
亡国安倍農政「改革」 通常国会を振り返って(下)
紙 智子参院議員 党農林・漁民局長に聞く
地域社会が壊される
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中山間地域については、私が出席した島根地方公聴会でも国会の参考人質疑でも、共通して「地域社会が壊される」という悲鳴が聞かれました。島根県では、集落間に格差が出ないよう国が対策を講じるよう要請がありました。しかし、政府の施策では、これに応えられません。
家族農業軽視
農業では、日本でも世界でも、家族農業が生産を担っています。今年は、国連が定めた「国際家族農業年」です。予算委員会で安倍晋三首相の認識を問いました。「家族農業を大事にするというのは、自民党の政策だ」というので、予算をどれだけつけたかただすと、答弁はありませんでした。先日、初の首相出席で農林水産委員会が開かれたので、重ねて質問しましたが、首相は答弁に立ちませんでした。ここには、家族農業に見向きもしない姿勢が表れています。
―新たに提起された「農業・農協改革」が議論を呼んでいます。
国会質問では、規制改革会議の答申も取り上げました。農業協同組合(農協)に関して、農業会議所や中央会制度の廃止について、農業関係者から要求が出ているのかただしました。後藤田正純副大臣は、「廃止要求は出されていない」と明かし、「規制改革会議の委員からの意見が出されるなど、議論の中で」というのです。
農業委員会の役割を否定する規制改革会議の議論も批判しました。農水省は本来、農業委員会の役割を規制改革会議に説明すべき責任があるとも指摘しました。
TPP撤退を
環太平洋連携協定(TPP)については、ほぼ毎回の質問で、ときどきの情勢に即して質問しました。政府の姿勢をただし、国会決議に反するTPP交渉からの撤退を求めました。農水相が「いつそれを質問されるかと思っていた」と言うほど、徹底して取り上げました。一貫して「TPPからの撤退」を主張してきた日本共産党の姿勢は明瞭です。
公約に違反し、情報も公開せず、国民的議論も行わず、国会決議もなし崩しにして、米国の要求に応える安倍政権の亡国の暴走が浮き彫りになりました。
(おわり)