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2014年7月13日(日)

成り立つの? こんな「言い訳」

集団的自衛権―政府のQ&Aをみる

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「政府見解の論理の枠内」?

立憲主義否定の解釈改憲

 政府や自民、公明両党は、集団的自衛権行使を容認した自らの憲法解釈について、「これまでの政府見解の基本的な論理の枠内だ」「論理的帰結だ」「解釈改憲ではない」と言い張っています。これほど厚顔無恥な詭弁(きべん)はありません。

 憲法9条に関するこれまでのすべての政府見解は、「海外での武力行使は許されない」ことを土台に築かれてきました。「閣議決定」はこの土台を百八十度覆し、集団的自衛権行使=海外での武力行使を公然と容認しているのです。安倍晋三首相は国内では「何も変わるところがない」といいながら、外遊先では「日本は安全保障の法的基盤を一新した」と解釈改憲を誇る二枚舌を使っています。

 政府・自公両党は解釈改憲を「基本的な論理の枠内」だとこじつけるため、日本への武力攻撃に対する「自衛の措置」を認めた1972年の政府見解の言葉の一部をつまみ食い的に「閣議決定」に引用しています。しかし72年政府見解は、「集団的自衛権の行使は、憲法上許されない」という「論理的帰結」を導き出しているのです。

 「閣議決定」は、従来の政府見解の「基本的な論理の枠内」どころか、憲法で国家権力を縛るという立憲主義を真っ向から否定する解釈改憲そのものです。

「日本が戦争に巻き込まれるリスクはなくなる」?

米国の戦争に巻き込まれる

 世論調査で、集団的自衛権行使によって「他国の戦争に日本が巻き込まれる恐れがあると思う」人は71%(「毎日」6月29日付)にのぼっています。

 ところが政府は「日本が戦争に巻き込まれるリスク(危険)はなくなっていく」と強弁しています。集団的自衛権を行使できるようにすることで「かえって紛争も予防される」というのです。世論調査で示された国民多くの不安にまったく答えていません。

 「閣議決定」は、集団的自衛権の行使だけでなく、自衛隊による米軍や多国籍軍への支援も「戦闘地域」で可能としています。そうなれば活動中の自衛隊が攻撃対象となり、戦闘に巻き込まれていく危険があるのは明白です。

 戦後、自民党政府は米国の戦争に一度も反対したことはありません。それでも米国の戦争に日本から戦闘部隊を送ることがなかったのは、「集団的自衛権の行使は憲法上許されない」という歯止めがあったからです。

 「閣議決定」でこの歯止めをなくしてしまって、米国から要求があったときにどうして断れるでしょうか。日本が、これまでのベトナム戦争、イラク戦争のような無法な侵略戦争に巻き込まれ、共犯者とされることになるではありませんか。


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