2014年7月13日(日)
「閣議決定」撤回を主張
ネット番組 集団的自衛権で井上氏
日本共産党の井上哲士参院国対委員長は11日、インターネット動画サイト「ニコニコ生放送」による集団的自衛権問題の討論会に出席し、自民、公明、維新(橋下グループ)、次世代、みんな、結い、生活の各党代表と討論を交わしました。井上氏は、安倍政権が行使容認を「閣議決定」したことについて「これまでの政府見解を百八十度変えて、海外で戦争する国づくりに進むものだ。立憲主義の否定であり、『閣議決定』は撤回すべきだ」と主張しました。
討論のなかで自民党の中谷元・副幹事長はは、集団的自衛権行使の判断について「密接な関係にある他国に対する武力攻撃」「国の存立が脅かされる明白な危険」との文言をあげ、「(解釈には)幅があり、やるかやらないかは総理が判断する」と発言。石油のために中東で「機雷の除去を考えるケースもある」と語りました。
井上氏は「『国の存立を脅かされる』というのは極めて曖昧で、ときの政府がいかようにも解釈できる。歯止めにはならない」と批判しました。
他の野党は、「閣議決定」の手続きに異論を唱えつつも、行使そのものに反対しませんでした。コメンテーターの萱野稔人(かやの・としひと)津田塾大学教授は「朝日」世論調査で行使反対が多数であることにふれ、「反対を明確にしているのは共産党だけだ」と発言。井上氏は「国会では少数派ですが、国民的には多数派です」と応じました。
萱野氏はまた、徴兵制導入を心配する声があがっていることを紹介。井上氏は、自民党の石破茂幹事長がかつて「徴兵制が憲法違反という議論には賛成しかねる」と述べていたことにもふれ、「今、政府は徴兵制をできないと言っているが、今回、できないと言っていた集団的自衛権をできると解釈を変えた。だから不安が広がっている。憲法規範を傷つけている」と指摘しました。