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2014年7月16日(水)

米欧版TPP交渉批判

双方の労組連合が共同宣言

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 【パリ=浅田信幸】米国と欧州連合(EU)で自由貿易地帯の創設を目的とする環大西洋貿易投資連携協定(TTIP=米欧版TPP)交渉の第6回協議が14日、ブリュッセルで開始されました。これに先立ち、米欧労組が共同宣言を発表して厳しい注文をつけるなど、批判の声が強まっています。

 米国最大の労組全国組織である労働総同盟産別会議(AFL・CIO=組合員1250万人)と欧州労連(ETUC=36カ国85全国労組、組合員6000万人)は10日発表した「共同原則宣言」で、TTIPが「貿易の利益を私有化し、損失を社会化する企業覇権」を認めるものであってはならないとし、交渉が「公開、民主、参加」の形を取るべきだと主張しました。

 宣言は、達成される合意が「生活・労働条件の改善」に通じるものであり、「水準を下げたり、民主的決定過程を侵害」するものであってはならないと警告。各国の福祉向上のために「異なる国の異なる選択」を認めるべきだなどと強調しました。

 その上で、▽交渉への社会的パートナーの参加▽公共の利益のための立法権の維持▽個人通信・情報の保護▽ISD条項(企業や投資家が投資先の国家を提訴できる条項)の排除―など、具体的な10項目の要求を突き付けました。

 宣言発表にあたり、AFL・CIOのトラムカ議長は「TTIPは貿易とグローバル化を正す機会だが、それは利潤よりも人々を優先させるオープンな形で交渉が行われる場合だけだ」と発言。ETUCのセゴール書記長は「社会の中で企業が他のグループよりもこれまで以上に優遇されることに反対だ」と強調しました。

 TTIP交渉は1年前に始まり、遅くとも来年中の合意達成を目指しています。しかし欧州側では、食品(遺伝子組み換え作物など)や医薬品の安全基準低下の不安、市場開放に伴う公共サービス部門(教育、保健医療、水道、郵便事業など)への否定的影響が懸念されており、交渉が非公開であることも強い批判の対象となっています。


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