2014年7月28日(月)
全労連第27回定期大会での志位委員長のあいさつ
27日、日本共産党の志位和夫委員長が全労連大会(東京都内)でおこなったあいさつを紹介します。
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全労連第27回定期大会にお集まりの全国の働く仲間のみなさん、こんにちは。私は、日本共産党を代表して心からの熱い連帯のあいさつを送ります。
この大会は、全労連結成25周年の節目の年に開かれています。私自身、全労連のみなさんと肩を並べ、さまざまなたたかいに取り組むなかで、結成25年を迎える全労連が、わが国の労働運動、国民運動のなかでかけがえのない役割を果たされていることを実感しています。私が感じている点を三つほど話したいと思います。
「ベアゼロ」の壁をつき崩しつつある
第一は、全労連のたたかいが、「ベアゼロ」の壁をつき崩しつつあることです。
この十数年間、日本は労働者の賃金が連続して下がり続けるという、世界の資本主義国のなかでただ一つの異常な国になってきました。それは、財界が、1995年の「新時代の『日本的経営』」を発表して以降、労働者の「ベースアップゼロ」=「ベアゼロ」の方針を掲げ、とくに2003年以降は、「ベアは論外」とさらに強硬な態度をとってきたからです。そうした財界の態度のもとで、連合が、「賃上げより雇用」といって、この5年間、ベア要求の旗をおろしてしまうという状況も生まれました。
こうした逆風のもとで、全労連のみなさんは、「大企業の内部留保を活用して、大幅賃上げで、景気の回復を」という方針を、一貫して堂々と掲げ、たたかいつづけてこられました。
私は、全労連の先駆的たたかいが情勢を変えつつあると思います。今年の春闘では、連合も5年ぶりにベア要求を掲げました。政府も「賃上げ要請」をせざるを得なくなりました。そうしたもとで、財界も「ベアは論外」などとはいえなくなりました。大企業の46・7%が今年の春闘でベア実施に踏み切りました。
さらに全労連の「時給1000円以上」の最低賃金要求が世論を動かし、連合も「誰でも時給1000円」を要求するようになり、労働界が統一して「時給1000円」を掲げるもとで、地域別最低賃金の2桁引き上げが続く状況が生まれています。
もちろん、変化は第一歩のものだと思います。しかし、長年続いた「ベアゼロ」の壁をつき崩しつつあることは大いに確信にしていいのではないでしょうか。いま全労連が掲げている「誰でも月1万6000円以上」の賃上げは、この1年間で増えた大企業の内部留保20兆円のわずか2割程度を使えば実現します。みなさん、力をあわせ、大幅賃上げ、最低賃金の大幅引き上げを勝ち取ろうではありませんか。(拍手)
政府・財界の無法と対決する労働者の連帯と団結の要として
第二は、全労連が、政府・財界の無法と対決する労働者の連帯と団結の要としての役割を発揮していることです。
安倍政権の労働法制大改悪とのたたかいでは、全労連と連合など、ナショナルセンターの違いを超えた共同行動が実現し、通常国会では、労働者派遣法大改悪法案を廃案に追い込むという重要な成果をあげることができました。
全労連は、JAL(日本航空)の不当解雇撤回闘争、電機リストラとのたたかいをはじめ、職場の無法とたたかう労働者のかけがえのないよりどころとなっています。困難なたたかいのなかでも成果も勝ち取っています。資生堂、マツダ、ソニー、社会保険庁などのたたかいで、重要な成果をかちとっていますが、どれも全労連あっての勝利であります。
私は、政府・財界の無法に勇気をもってたたかっているすべての労働者の仲間のみなさんに、最後までともにたたかう熱い連帯のメッセージを送るものであります。(拍手)
安倍政権の暴走とたたかう国民運動で大黒柱の役割
第三は、全労連が、安倍政権の暴走とたたかうあらゆる国民運動で、大黒柱の役割を発揮していることです。
私も、原発問題や憲法問題での官邸前抗議行動に参加してきましたが、若い方々が中心になって素晴らしいエネルギーが発揮されていることを実感しております。そして、その中で、全労連のみなさんが、時には縁の下の力持ちとなって、あらゆる運動の発展のために力をつくしてきたことに、深い信頼が寄せられていることを実感しています。
どんなたたかいでも、「国民のたたかいのあるところに全労連あり」の大奮闘をされてきたことに、私は心からの敬意を申し上げたいと思います。(拍手)
安倍政権打倒の国民的運動を起こそう
安倍政権の正体は、すでにむき出しになりました。集団的自衛権、消費税大増税、原発再稼働、沖縄・米軍新基地建設―どの分野でも国民の利益を踏みつけにした「亡国の政治」―これこそ安倍政権の正体ではないでしょうか。
私は、いまこそ安倍政権打倒の国民的大運動を起こすことを心から呼びかけたいと思います。あらゆる分野で「一点共闘」を広げに広げるとともに、それを安倍政権打倒のたたかいへと大合流させていこうではありませんか。安倍政権打倒の一点で一致するすべての政党・団体・個人が力をあわせようではありませんか。そのことを最後に訴えるとともに、全労連の活動と組織の大発展を心から願って、あいさつといたします。ともにがんばりましょう。(大きな拍手)