2014年8月5日(火)
「閣議決定」撤回求める
“9条変質” 憲法研究者157氏声明
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浦田一郎・明治大学教授や小沢隆一・東京慈恵会医科大学教授ら憲法研究者8氏が4日、都内で記者会見し、集団的自衛権行使を容認する「閣議決定」に抗議し、撤回を求める声明を発表しました。声明文には、呼びかけ人・賛同人あわせて157氏が名を連ねました。
声明は、浦田、小沢両氏はじめ憲法研究者の奥平康弘氏や渡辺治・一橋大学名誉教授など28氏が呼びかけたもの。憲法学者の樋口陽一氏、深瀬忠一・北海道大学名誉教授ら129氏が賛同しました。
声明は、「閣議決定」について「日本が武力攻撃されていないのに他国の紛争に参加して武力行使に踏み切るという点においては、従来の政府見解から明白に逸脱するもの」と強調。国連安保理決議に基づく他国軍隊の武力行使に対する自衛隊の支援も画策されていると指摘し、「憲法9条の根本的変質にほかならない」「速やかな撤回を強く求める」としています。
会見で小沢氏は「1920年代から70年代生まれの憲法研究者がよびかけ、幅広い層の人が賛同してくれた」と説明。秘密保護法反対声明に参加した憲法研究者の数を超えたことも紹介しました。
呼びかけ人の清水雅彦・日本体育大学教授は、「閣議決定」で集団的自衛権行使を容認することについて「立憲主義に反する」と指摘。浦田氏は「これまで集団的自衛権が行使されてきたのは、ベトナム戦争やアフガン戦争のようにアメリカが行う戦争」「今回の閣議決定は、憲法解釈の枠を踏みこえている」と述べました。
賛同人の石川裕一郎・聖学院大学准教授は、「これまで憲法研究者の声明などにかかわってこなかったが今回は質が違うと考え、かかわらせていただいた」と語りました。