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2014年9月20日(土)

高校・大学の教育費高すぎると家族悲鳴

新婦人がアンケート

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 新日本婦人の会(新婦人)は19日、東京都文京区の中央本部で記者会見し、「高校・大学の教育費アンケート」の結果を公表しました。入学時には平均、高校で41万円、大学で156万円が必要で、「アルバイトを三つかけもちしている」など高すぎる教育費の負担に苦しむ保護者の実態が明らかになりました。


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(写真)「高校・大学の教育費アンケート結果」を発表する新日本婦人の会の笠井貴美代会長(右)=19日、東京都文京区

1世帯123万円も

 アンケートは4、5月に実施したもの。高校と大学に通う子どものいる47都道府県、740人の保護者が回答しました。初年度納付金など高校、大学の入学時にかかった経費・費用、進級した子どもの授業料や通学費、仕送り、就職活動などの費用、奨学金について聞きました。

 1世帯あたりの教育費の平均は年間123・1万円でした。年収300万円未満の家計の平均教育費は93・1万円など多額の負担となっています。

 年収300万円未満と回答した母子家庭のなかには、年間教育費が219・7万円に上る人もいました。「自分ひとりの稼ぎで子ども2人を食べさせるのは困難。三つのパートをかけもちして何とか生活していますが、この先自分がどこまで健康に働けるか」(長野)と教育費負担が重くのしかかっています。家計収入に比例して仕送りなど年間の教育費は上がっています。

 高校では、入学時にかかった費用の平均は公立が23・2万円、私立が81・9万円。学校への初年度納入金は公立で9・2万円、私立は65・8万円と大きな格差があります。

 授業料のほかに受験や入学しなかった学校への納付金、教科書など学校必需品、制服や体操着などに平均14・3万円がかかります。「倍率が高くて公立に入れず、私立へ入学。公立と私立の授業料の差を縮めてほしい」(千葉)、「授業料が所得によって無料にならないので手続きが面倒。全員無料にしてほしい」(山梨)など、授業料無償化に所得制限を導入した安倍内閣に怒りの声が寄せられました。

 大学では、入学時の平均費用は、国立で148万円、私立で178・8万円でした。

 授業料や入学金などのほか、受験に14・7万円、入学しなかった学校への納付金に21・9万円、教科書やパソコン代に13・3万円、1人ぐらしのスタートに40・3万円が必要になっています。

 大学の進級にも平均145・8万円かかり、就職活動にもスーツ代や交通費など平均10・5万円がかかっています。

 「就職先が決まらず、新卒扱いしてもらうために100万円もの授業料を払って大学に籍をおいています。卒業後の進路が心配でなりません」(東京)との回答もありました。

 奨学金を受けている大学生は28・2%いました。そのうち有利子が64・4%に上ります。

 年収300万円未満の世帯では、大学生2人が受け取る奨学金が4年で816万円、返済額は2人で1021万円に上るという回答もありました。

トリプルワーク

 奨学金、教育ローンのほかの教育費捻出の手だてについては「学資保険の積み立て」60・8%、「子どもがアルバイト」31・5%、「祖父母からの援助」23・9%、「親がダブル(トリプル)ワーク」23・6%の回答がありました。その他、事業資金、預貯金、生命保険などの解約、年金や退職金からの取り崩しなどが目立ちました。

学費軽減、給付制奨学金早く

 笠井貴美代会長の話 学費軽減、給付制奨学金を一日も早くとの願いは切実です。教育予算を大幅に増額し、公立高校の授業料無償化と私学助成の増額、国公私立大学授業料の大幅引き下げ、奨学金の無利子化と給付制奨学金の早期創設などが必要です。正規雇用で人間らしい労働と収入が保障されるよう強く求め、運動していきます。

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