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2014年9月27日(土)

料金再値上げ申請 北海道電常務

出勤は道経連に 報酬は電気代で

公益企業には説明責任

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 北海道電力の常務が同社から役員報酬を得ながら、実際には専務理事を務める北海道経済連合会(道経連)に主に出勤していることが26日、本紙の取材でわかりました。同社が料金の大幅再値上げを道民に求める一方で、電力事業と直接関係のない財界活動をする常務に、電気料金をもとに高額の役員報酬を払っていることは、道民の批判を免れません。


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(写真)道経連が入る札幌市中央区内のビル

 道経連の専務理事で北海道電力の常務のO氏は、北海道電力から年1800万円の役員報酬を得ています。

 電気料金は「総括原価方式」という算定法で算出されます。

 役員報酬は「人件費」として、電気料金の原価に含まれています。

 各電力会社の給与負担や出向社員をめぐっては、電気料金の査定をする経済産業省の審査専門委員会でも厳しく指摘されています。

「二重計上」指摘

 関西電力の査定では、地方議員をしている社員の一部給与について「電気の供給に直接関係ない」として電気料金の原価から除外されました。電力会社が外部の団体に「団体費」を払いながら、その団体に社員も出向させていることが「二重計上」と指摘されたケースもあります。

 本紙の取材に道経連の担当者は、「O常務の給与を道経連は負担していない。北海道電力の負担。O氏は同社の『地域産業経済』担当役員の業務として道経連の専務理事をやっている」とのべました。O常務の基本的な出勤先は、道経連の事務所になっているといいます。

 道経連は、500の企業・団体が加入する経済団体。歴代の会長に、北海道電力の幹部が就任してきました。現在の会長は大内全・元副社長です。

 道経連は、今年7月、政府に「原子力発電所の早期の運転再開を要望する」などの政策提言をしています。

 専務理事は、道経連で日常の決裁権を持つ要職です。本紙の調べによると、少なくともO氏の前任者と、その前の専務理事も北海道電力の常務が兼務していました。

 北海道電力の元関係者は「専務理事になれば北海道の政財界に抑えがきくし、北海道電力にとっては何かとやりやすいからだ」と指摘します。

社員7人も出向

 また道経連には、北海道電力から出向社員が7人おり、給与はすべて北海道電力の負担になっていることを認めました。この出向は、日本共産党の真下紀子道議の24日の道議会質問で明らかになった電力事業と直接関係がない69人の“ウラ出向”の一部です。

 この“ウラ出向”社員の給与は、総括原価方式の「事業報酬」(利益)から出ています。

 「利益」からの支出は、使途について企業の自由裁量に委ねられる部分があります。

 しかし、公益企業の北海道電力には、透明性の高い経営が求められます。同社は、“ウラ出向”先の24団体の詳細については明らかにしていません。

 真下議員の調べでは、2012年に発足した食品産業系の団体への出向もあります。なぜ赤字を計上した時期に、こうした団体へ新たな出向が必要なのか、説明が必要です。

 本紙の取材に北海道電力は「O常務の役員報酬は電気料金の原価に含まれている。業務の内容に応じて、道経連と当社に出勤している」としています。


 総括原価方式 電気料金の根拠となるのは、電力会社の経営に必要とされる「総原価」です。「営業費用」(人件費や発電施設等の固定資産の減価償却費、修繕費や燃料費など)+「事業報酬」(電気事業のための資産に、決められた報酬率2.9%をかけた報酬)で表されます。

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