2014年10月23日(木)
原告30人全員が和解
熊本地裁・トンネルじん肺第4陣訴訟
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トンネル工事に従事して、じん肺になった熊本県などの労働者20人とその遺族が、鹿島建設などのゼネコン39社に損害賠償を求めていた「トンネルじん肺第4陣訴訟」の第9回口頭弁論が22日、熊本地裁でありました。被告企業のほぼ全社が解決金を支払い、謝罪することで原告30人(被害者19人・うち4人死亡)と和解が成立しました。
被害者は、熊本、長崎、大分、宮崎、鹿児島の各県居住の60歳から80歳の男性(2012年の提訴時)。6月3日に追加提訴した1人を除き、4陣の原告は全員和解しました。
和解後、原告、支援者らは「バンザイ三唱」で喜びました。19歳から59歳までトンネル工事現場で働いてきた男性(71)=熊本県上天草市=は、三重県の現場で働いていた時、健康診断の結果から労働基準監督署に現場で働くことを止められました。「まずは支援者に感謝したい」とのべ、「じん肺は治ることはないのでこの先のことを考えると心配」と喜びの中に不安をにじませました。
和解後の会見で原告側弁護団の三浦宏之事務局長は「12年5月の提訴から2年半かかった。和解を(被害者の迅速な救済をめざす)『じん肺基金制度』創設実現のテコにしたい」とのべました。
トンネルじん肺訴訟熊本訴訟では、来年4月7日に第5陣の提訴を予定しています。