2014年10月28日(火)
泉南石綿訴訟 厚労相 原告に謝罪
被害者ら「線引きせず救済を」
アスベスト(石綿)被害について国の責任を認めた最高裁判決(9日)を受け、塩崎恭久厚生労働相は27日、大阪・泉南アスベスト国家賠償請求訴訟原告団・弁護団と厚労省内で面会し、謝罪しました。
原告・家族12人と弁護団が参加し、芝原明夫弁護団長が要請書を厚労相に手渡しました。
その後、記者会見した原告らは「亡くなった母に聞かせたかった」などと喜びを語りました。
1972年以降や周辺住民・家族のアスベスト暴露など、今回の最高裁判決で救済されなかった問題も原告は大臣に訴えました。佐藤美代子さんは、「敗訴した原告には謝っていただけないのですか」と夫の写真やDVDを手渡し、南和子さんは、周辺住民の被害を訴え、「大臣から真摯(しんし)に受け止めたいと言われ心強かった」と語りました。今回被害が認められなかった岡田陽子さんも「家族だからと線引きしないでほしい」と訴え、「大臣の『検討したい』との言葉を信じています」と話しました。
原告団・弁護団は、▽泉南の地で原告に謝罪する▽1陣差し戻し審の早期和解▽未提訴の被害者掘り起こしの調査▽全被害者救済のための原告との協議、を要請しました。
同弁護団は「アスベスト被害相談常設ホットライン」=【電話】090(3273)0891、月〜金の午前10時〜午後6時=に、判決後、多数の相談が寄せられていることを明らかにしました。