2014年11月7日(金)
底なしの閣僚疑惑 共産党が追及 参院委
小渕優子前経済産業相、松島みどり前法相につづいて、次々と明らかになる安倍政権の閣僚の「政治とカネ」をめぐる疑惑。日本共産党の紙智子、市田忠義両参院議員は6日、「説明責任をはたせ」と厳しく追及しました。
西川農水相 「土産」代は選挙の年に
紙氏「納得いく説明を」
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紙智子議員は、参院農林水産委員会で、特定商品預託法違反の罪で実刑判決を受けるなど多数の被害を出した「安愚楽牧場」からの献金や、親族企業に政治資金から「土産代」などを支出していたと指摘されている西川公也農水相の政治倫理問題をただしました。
紙氏は、西川氏が返金したとする安愚楽牧場からの献金125万円について「いつ、誰に返したのか」と質問。西川氏は「2012年12月に破産管財人に返した」と答える一方、返金時の領収書については「収支報告書で説明している」と提出を拒み、説明責任を果たしませんでした。
紙氏は、西川氏の資金管理団体「幸湖会」の収支報告書に09年に総額77万円もの「土産物代」が計上されていると指摘。「09年8月には総選挙があった。それに向けて配ったのではないか」とただしました。西川氏は、「選挙区外のお世話になった人で誰に何を渡したかは公表できない」と答えました。
紙氏は、「07年、08年には全く計上されていない。なぜ09年に突然計上されているのか。国民に納得のいく説明をするべきだ」と要求。「10年からは、西川氏の長男が社長を務める会社からも土産物を購入している」と指摘しました。
西川氏は「正常の商取引で問題ない」と居直りました。
紙氏は、「政治資金で何でも支出し、それを身内の企業に流すことは政治資金の私物化だ」「政党交付金で私腹を肥やしているならば、政治家としても大臣としてもその資格が問われる」と主張し、説明責任を果たすよう重ねて求めました。
実態は「利益供与」
市田氏 環境相「賀詞交歓」で指摘
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市田忠義議員は、参院環境委員会で、望月義夫環境相の政治資金収支報告書への虚偽記載問題を追及しました。望月氏は「事実と異なった記載をした」というものの、無責任な言い訳に終始、市田氏は「幕引きなどありえない」と厳しく批判しました。
望月氏をめぐる最大の問題は、「望月義夫後援会」の2008年と09年の収支報告書に、「賀詞交歓会大会費」として、約660万円の支出が記載されているのに、対応する収入の記載がないこと。
市田氏は、両年とも望月氏が現職の国会議員だったうえ、09年の交歓会は、同年8月の総選挙の直前だったことを指摘。「これは明らかに公職選挙法違反の利益供与(供応接待)にあたる」とただしました。また、賀詞交歓会の看板には、「望月よしお後援会賀詞交歓会」とあったとして、「後援会は関係ないという言い訳は通用しない。公選法違反を隠すために、収支報告書の支出の内容が間違っていたことにしようと考えたのではないか」とのべました。
市田氏は、望月氏が自民党静岡県連会長だった10〜11年に、同県連が、女性が接客するクラブやラウンジでの飲み代に約66万円を政治資金で支出していたことが発覚した際、望月氏が「情報収集など政治活動において必要と思われる行動を取り、規正法に照らして適切に対処、報告していると思える」とコメントしていることを紹介。「こういう認識だから、ばれるとまずいので賀詞交歓会にしておこうとしたのではないか」とのべました。
同県連が政党交付金を10年に1900万円、11年に1200万円受け取っていることにもふれ、「政党助成金はキッパリ禁止すべきだ」と強調しました。