2014年12月6日(土)
主張
総選挙と農政
農業・農村つぶしに審判を
国民の願いを無視して暴走を続ける安倍晋三・自公政権の政治のなかでも、農業・農村政策は総選挙で最も厳しく問わなければならない分野のひとつです。
日本共産党は総選挙政策で掲げた日本政治の「五つの転換」のなかで、「暮らし第一で経済を立てなおす」ことを求め、日本を丸ごとアメリカに売り渡す環太平洋連携協定(TPP)交渉からの撤退、緊急の米価対策とともに安心して農業が続けられる価格保障と所得補償で日本農業を再生することを訴えています。農業者の願いに真正面から応えたものです。
農業者の願い受け止めて
日本農業の主柱である米生産は、生産者米価の大暴落で、政府が育成してきた「担い手農家」でさえ生産を続けられるかどうかの瀬戸際に立たされています。安倍政権の経済政策「アベノミクス」による円安と消費税の増税は、飼料、肥料、燃油などの生産コストを押し上げ、米作、畜産、畑作、果樹、野菜などの農業経営を危機にさらしています。
安倍政権が、農業や食の安全を壊すTPPへの参加を積極的にすすめ、家族経営を基本にしてきた農地・農協などの制度を「岩盤規制」と呼んで撤廃・緩和をすすめていることが、現役の農業者はもとより、新たに農業を志す人たちの希望まで奪っています。
安倍首相は「企業が世界で一番活躍できる国にする」ためにと称して、TPP参加と「農業改革」を「アベノミクス」の柱に位置づけています。「農業改革」の中心は、農地にたいする営利企業の進出を厳しく規制している農地法を骨抜きにし、その実行者である農業委員の公選制を廃止、小生産者(家族農業)が協力・団結して農業生産と農家の暮らしを守るための農協の事実上の解体です。
農協については、全国農協中央会(JA全中)の法的位置づけをなくし、総合農協から信用・共済事業を外し、全農などを株式会社にするなど、農協を営利企業と同列に置こうとしています。
これらは、農民の自治的な農地管理や協同組合を否定し、家族農業とその共同を基本とする農政の民主的な側面を根底から覆すものです。財界の言動からも、農業・農村でのビジネスチャンスを拡大することに狙いがあることはあきらかです。安倍政権の2年間の農政は、農業・農村・農協つぶしの暴走が加速したものでした。安倍首相は、「農業者の所得倍増」や「地方創生」を強調しますが、やっていることは農業・農村・農協つぶしの強化であり、まったく逆です。農政の転換は待ったなしです。
攻勢的に農業の展望を
日本共産党は財界主導の農業破壊のたくらみを厳しく批判し、家族経営とその共同を中心にした農業者が農地管理の主体となる政策を提案しています。TPP反対では、広範な関係者との共同を広げ、食料主権を尊重する貿易秩序を求めてきました。各地の関係者から「共産党の農業政策が一番ぴったりする」「TPP反対でぶれない党だ」の声が寄せられています。
総選挙での日本共産党の躍進は、TPP交渉からの撤退、米価の安定をはじめ日本農業と地方の再生への展望につながります。TPP反対の一点共闘など幅広い人々との間で広げた信頼関係を生かした攻勢的取り組みが重要です。