2014年12月8日(月)
核兵器禁止条約実現を
ウィーン NGOフォーラム開催
【ウィーン=島崎桂】オーストリアのウィーンで8日から始まる「第3回核兵器の人道的影響に関する国際会議」を前に、非政府組織(NGO)「核廃絶国際キャンペーン」(ICAN)は6日、同市内で「市民社会フォーラム」を開きました。2日間にわたり、核兵器禁止条約の実現に向けた活動や方策について議論します。
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会議には、世界各国から約600人が参加。ビデオメッセージを寄せたオーストリアのフィッシャー大統領は、核軍縮や不拡散に尽力してきた各国市民に謝意を示し、「市民社会の取り組みは、核兵器禁止に向けた勇気の証しだ」と激励しました。
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今回の会議には、南太平洋マーシャル諸島のデブルム外相が現職の外相として初参加。米国が1946年から同国で繰り返した核実験の被害にふれ、「(原発事故後の)福島で起きていることが、46年以来マーシャルでも起きている」と訴えました。
マーシャル政府が核保有国9カ国を国際司法裁判所に提訴(4月)した理由については「(核保有国の)狂気を止めるためだ」と説明しました。
デブルム氏は講演後、日本の記者団に対し「マーシャル政府は日米両政府に(核保有国の提訴という)決定への理解を求めてきた」と指摘。改めて訴訟への支持を求めました。
各分野の専門家による講演では、核兵器の使用がもたらす人体や環境への影響、食糧不足や飢餓増大への危険性が指摘されました。
会場内に設置されたワークショップでは、各国の反核・平和団体が写真展や講演会を開催しました。原水爆禁止日本協議会(原水協)と日本原水爆被害者団体協議会(被団協)は「人間と原爆展」を共催。被爆者の火傷痕や炭化した遺体の写真を見た人は「気が重くなる現実」「核兵器の恐ろしさを改めて思い知らされた」と感想を語りました。