2014年12月19日(金)
小渕氏疑惑終わらない
当選後も問われる「政治とカネ」
観劇会の収支ずれ 5000万円超え、さらに…
14日投開票の総選挙では、自民党が「政治とカネ」をめぐる疑惑の閣僚や政治家をもれなく公認したことに、有権者の批判が高まりました。群馬5区でも、小渕優子前経済産業相が立候補、6選しましたが、関連政治団体などに東京地検特捜部の強制捜査が入っており、今後の展開が注目されます。
東京地検が関係先捜索
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小渕氏は、当選5回ながら2度目の入閣をはたすという自民党の“スター”の一人で、これまでの総選挙では、他候補の応援に駆け回りました。今回は、選挙区内の“おわび”行脚に終始しました。ところが、みずからの疑惑については、「今はまだ説明できる段階ではない」などという無責任なものでした。
公示直前に公表された2013年の政治資金収支報告書によると、小渕氏の関連政治団体が同年に開いた観劇会をめぐっても、収入より支出が約787万円多いことがわかりました。
毎年恒例の観劇会の収支のずれは、09年から判明しているだけで、5000万円を超えます。前回総選挙があった12年は、収入、支出とも記載がなく、政治資金規正法に抵触する不記載、虚偽記載の額は、さらに膨らむことになります。(表参照)
東京地検特捜部は、デタラメな政治資金収支報告書を作成した元秘書(前中之条町長)の自宅や小渕氏の後援会事務所など関係先を家宅捜索し、後援会関係者の任意聴取もおこなわれています。今後、本格的な捜査もふたたび動きだすとみられます。
5000万円を超す差額を小渕氏側が負担していたとすれば、有権者への利益供与を禁じた公選法に抵触する疑いがあります。小渕氏には、選挙区内の有権者にワインを贈った公選法違反の疑惑もあります。
小渕氏は選挙戦で「もう一度スタートラインに立って、一からやっていく覚悟です」と訴えましたが、問われているのは、みずからの疑惑についての説明責任です。