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2015年1月13日(火)

主張

2015年の農業

TPP撤退、持続的発展こそ

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 日本でも、世界でも、貧富の格差と栄養不足人口の増大、気候変動による食料供給の不安定化がひろがるなかで、農業生産のあり方の見直しが大きな課題になっています。国連が、昨年の「国際家族農業年」に続いて今年を「国際土壌年」とし、国際的取り組みを呼びかけていることにも示されている通りです。

効率優先の限界は明らか

 経済効率優先の農業・食料生産・流通の継続がさまざまな困難をもたらしています。地域に定着する家族農業者とその共同を基本にした生産、自然の諸力を生かした持続的・循環型の生産、そのためにも農山村地域の維持・発展にむけた転換が求められています。

 安倍晋三・自公政権は「世界で最も企業が活動しやすい国」にすることをめざす経済政策「アベノミクス」のもと、国連の家族農業年の提起には見向きもせず、農産物の関税撤廃をはじめ、あらゆる分野にアメリカ式のルールを持ち込む環太平洋連携協定(TPP)参加を重要な柱に推進しています。

 農業への企業参入を自由化し、専業、兼業、共同など多様な農業者を政策対象から排除しようとしています。農家と地域経済にとっていまもっとも切実な生産者米価の大暴落対策では、コスト削減や民間任せに終始し、政府として責任をとろうとしません。

 安倍政権は、農家と農業生産、地域の暮らしを支えてきた農協を「岩盤規制」打破の対象として解体しようとしています。当面、全中(全国農協中央会)に的をあてていますが、ねらいは協同組合運動と事業への攻撃です。食料・農業・農村基本計画の見直しでは、食料自給率目標を大幅に引き下げるといわれています。

 安倍政権の一連の農業・農政破壊の攻撃は、まさに日本農業を縮小・再編し、アメリカと大企業に新たなビジネスチャンスとして提供する暴挙です。国民の暮らしと平和をこわす安倍政権の暴走は、農業・食料の分野でも、国民の願いからも国際的な要請からも逆行するものです。

 安倍首相が妥結にむけ前のめりなTPP交渉は、参加国間の矛盾とともに、日本をはじめ参加国内に反対の声が上がり、妥結を許さない動きが拡大しています。総選挙では、TPPにも「農政改革」にも断固反対し、米価暴落の緊急対策を提案し、農業を国の基幹産業として発展させる立場を貫いている日本共産党への期待が、農民・農業団体の中に広がりました。自民党もTPPでの「聖域」確保を掲げ、多くの農林関係議員が農協の自主改革を支持しました。

国民本位の経済のため

 全国食健連をはじめ農林漁業団体、消費者団体、医療関係者、学者・研究者、弁護士など幅広い人びとが、「TPPからの脱退」「国会決議の順守」「聖域を守れ」などの要求を掲げて運動を続けています。TPPからの撤退をめざす一致点での共同の条件はいっそう大きくなっています。

 農業・食料問題は、格差と貧困を拡大し、農業や地方を衰退させる「アベノミクス」とたたかい、国民本位の経済を実現する重要な一環です。TPP交渉からの撤退、再生産可能な農産物価格の実現、効率一辺倒から持続的な農業へ、家族と地域の共同を大事にする農業のために力をつくしましょう。


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