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2015年1月14日(水)

主張

スポーツ2015

問われる五輪計画と強化策

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 2015年のスポーツ界は、駅伝にラグビー、サッカーとにぎやかに明けました。テニスでは、世界ランキング5位の錦織圭選手が全豪オープンに登場します。

 6月にはいよいよ日本代表の連覇がかかる女子サッカー・ワールドカップの開幕です。来年に迫るリオデジャネイロ五輪大会にむけた選手強化と各種の前哨戦も目白押しです。大いに日本選手の活躍を期待しています。

環境守り、後利用考える

 問われているのが、20年東京オリンピック・パラリンピックの開催準備です。まず、開催基本計画を2月までに国際オリンピック委員会(IOC)に提出しなければなりません。

 立候補の時の開催概要があまりにもずさんで、不評をかっているだけに、抜本的な見直しが求められています。この間、都民の運動と日本共産党都議団の奮闘で、注目すべき変化が起きています。

 東京都は昨年、バドミントン、バスケットボール、セーリングの3会場の新設をやめ、既存施設の活用に切り替えることにしました。整備費の試算が想定よりも大きくなったことが理由です“野鳥の楽園”の葛西臨海公園(江戸川区)で予定していたカヌー・スラローム会場も、「自然環境を守れ」の声に押されて隣接の都有地に移すことが検討されています。

 新国立競技場の整備も大問題になっています。数千億円もかける豪華で巨大な建て替え構想は、「周囲の景観を壊す無用な浪費だ」との強い反対の声が上がっており、設計構想そのものの変更が迫られています。解体工事が始まりますが、国も大会組織委員会もこうした声に誠実に耳を傾け、歴史と伝統を踏まえたメーン会場づくりに切り替えるべきです。

 競技施設等の整備にムダをなくし、環境を守り、後利用を考えるのはオリンピック・パラリンピック準備の鉄則です。昨年12月のIOC総会が「五輪アジェンダ2020」を採択し、そのなかで「既存施設を最大限に活用する」との指針を打ち出したのは重要です。

 オリンピック・パラリンピックが国民・都民に受け入れられ、世界の競技者と人びとに歓迎されるためにも、大会組織委員会は「アジェンダ2020」を率先して具体化し、そのモデルとなる「開催基本計画」を練り上げることが求められます。それは開催資格そのものにかかわる問題です。

 東京オリンピック・パラリンピックまであと5年に迫っており、本格的な選手の育成と強化も始まっています。なかでも急がれるのがパラリンピックをめざす競技者の環境整備です。練習場所や指導者の不足が指摘されています。

 さらに重くのしかかっているのが、障害者選手の自己負担です。年平均144万円もかかると言われ、海外遠征や合宿をあきらめなければならない状況もあり、打開する施策が求められています。

スポーツで平和の交流へ

 今年は戦後70年の節目です。戦時中日本のスポーツは「敵性文化」として弾圧された歴史があります。これは痛苦の教訓です。

 スポーツは平和な世界をつくる力を持っています。スポーツによる平和な交流を促進する東京オリンピック・パラリンピックの実現のため、日本共産党は国民と広く共同し力を注ぐ決意です。


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