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2015年2月5日(木)

日歯連 5000万円迂回献金か

13年 自民・石井議員後援会に

民主議員後援会を経由

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 歯科医師の政治団体「日本歯科医師連盟」(日歯連)が2013年に支出した政治資金のうち、計9500万円が自民党の石井みどり参院議員の後援会に渡っていたことが4日、政治資金収支報告書などでわかりました。


 このうち、5000万円は、民主党の西村正美参院議員の後援会を経由しており、政治団体間の寄付の上限を年間5000万円に制限している政治資金規正法に抵触することを避けるための「迂回(うかい)献金」だった可能性があります。

 日歯連の政治資金収支報告書などによると、日歯連は13年1月23日、西村議員の政治団体「西村まさみ中央後援会」に5000万円を寄付。同後援会は同日、石井議員の政治団体「石井みどり中央後援会」に同額を寄付しています。(図参照)

 西村まさみ中央後援会の収入は、日歯連からの5000万円以外は、前年からの繰越金10万9313円だけでした。

 日歯連は同年3月15日、石井みどり中央後援会に対し、さらに4500万円を寄付しています。

 石井、西村両議員は、ともに日歯連推薦議員。石井みどり中央後援会と西村まさみ中央後援会の代表者は、いずれも日歯連の高木幹正会長で、事務所の所在地も東京・九段北の「歯科医師会館」にあります。事務担当者も電話番号も日歯連と同一です。

 日歯連は、全国の歯科医で組織する公益社団法人「日本歯科医師会」(日歯)を母体とする政治団体。13年は4万4163人から10億1617万500円の会費を集め、約7億800万円を石井、西村両議員はじめ組織内議員の後援会や都道府県歯科医師連盟に寄付しています。自民党の政治資金団体「国民政治協会」にも5000万円を寄付しています。

 13年の参院選比例区で再選した石井議員は、石井みどり中央後援会の9500万円のほか、資金管理団体「新世紀社会保障政策研究会」が約1148万円の寄付を受け取っています。日歯連の寄付の15%が石井議員側に流れたことに。

 日歯連は取材に「担当役員が不在で現時点ではコメントできない」と回答。石井みどり事務所は「後援会は石井自身が代表ではないので、本人は資金の流れを把握していない」と答えました。

 一方、“トンネル”とされた格好の西村正美事務所は「非常に遺憾で今後このようなことがないよう日歯連に要請したい」と文書で回答しました。

解説

「政治とカネ」の腐敗示す

 政治団体間の寄付を年間5000万円までとする政治資金規正法の規定は、04年に発覚した自民党・旧橋本派への日歯連による1億円ヤミ献金事件を機に設けられたものです。

 巨額献金を抑えるための規定のきっかけをつくった日歯連が、上限規制を逃れるために脱法的な行為をしていたことはきわめて悪質です。

 日歯連をめぐっては、04年、自民党の石原伸晃国土交通相(当時)側に対して、国民政治協会を経由する4000万円の迂回献金疑惑も明らかになりました。

 今回の迂回献金発覚は、「政治とカネ」をめぐる癒着と腐敗の旧態依然ぶりを示しています。

 (藤沢忠明)

図

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