2015年2月23日(月)
渓流環境破壊、釣り師ら抗議 福島・木戸川
放射能を毎年測定
東京でシンポ
東京電力福島第1原発事故以降、渓流河川の環境破壊計画が進行している―。釣りの愛好家でつくる「福島県で釣りを楽しむ会」が22日、東京都練馬区で「3・11から考える 釣りと環境」シンポジウムを開き約80人が集いました。
福島第1原発の西にあり20キロ圏内の双葉郡川内村(遠藤雄幸村長)。村の中央を渓流魚の豊富な「木戸川」が貫流していますがいまだに禁漁区です。
多くの川が禁漁区で放射線のデータなどがないなか「福島県で釣りを楽しむ会」は、漁の許可を得て事故後毎年、川内村や川内村観光協会、木戸川漁協の主催で「川内村放射性物質測定釣行会」を実施してきました。
昨年は5月31日と6月1日に、木戸川本流と支流で、約100匹のヤマメやイワナを採取。放射性セシウムの蓄積状況を調査しました。
シンポジウムで京都大学大学院農学研究科の岡田直紀准教授(森林科学専攻)は「ほぼすべての魚から放射性セシウムが検出された」と報告。放射性セシウム濃度を平均値で比べると木戸川本流1キログラム当たり46ベクレル、支流の戸渡川同120ベクレル、滑津川同81ベクレル、富岡川同80ベクレル。一般食品の基準値同100ベクレルを超えた魚は支流の戸渡川に集中していました。
岡田氏は「渓畔のコナラの葉に含まれる放射性セシウムの濃度が、事故初期に支流の沈着量のほうが高かった。森林汚染の程度に対応して魚の汚染もでている」としています。
参加した千葉県の女性は「松戸市にはホットスポット(局地的に放射線量の高い地域)がある。だれに責任があるのか忘れてはいけない」と話しました。
シンポジウムではこの他に、放射性物質を含む指定廃棄物最終処分場問題、山形県小国川ダム問題、リニア新幹線工事と自然環境問題を議論しました。