2015年2月28日(土)
政治とカネ 無反省
首相 開き直り答弁
閣僚の疑惑「何が問題なのか」
安倍晋三首相は27日の衆院予算委員会で、閣僚による「政治とカネ」問題で追及されたのに対し、「何が問題なのか」と開き直りました。
無届けの政治団体から不正な寄付を受けていた疑いがもたれている下村博文文部科学相について安倍首相は、「何が問題なのかという感じがしてきている」と述べ、疑惑が報じられた後に返金すれば問題はないとの考えを示しました。
安倍首相は、政府の補助金を受けていた企業から献金をもらい、同社の顧問を務め報酬を受けていた西川公也前農水相についても、「議員として説明を果たしていかれると思う」と述べ、任命責任放棄の姿勢を示しました。
さらに安倍首相は、大規模な政治資金パーティー自粛や営利企業の役職員兼務の禁止などを定めた大臣規範に照らしても下村文科相の問題は「しっかりと守られている」と強弁。「大臣規範は変えていく必要はない」とも述べ、改定して規制強化するつもりのないことを表明しました。
新たに望月義夫環境相、上川陽子法相の献金問題が明らかになり、後藤祐一議員(民主)から「カネまみれ政権だ」と批判されると、安倍首相は「とんでもない決め付けだ。イメージをつけるためだけに質問するのは極めて非生産的だ」と、無反省に居直りました。
維新の党の江田憲司代表が「国民が安倍官邸の構造的な問題ではないかと疑念を抱くような事態だ」と首相の任命責任を問うと、興奮して「極めて不愉快だ」と語りました。
望月環境相 「適正だと思う」
上川法相 「承知していない」
望月義夫環境相、上川陽子法相は27日の衆院予算委員会で、それぞれが代表を務める自民党の政党支部が、政府の補助金を受けた物流企業「鈴与」(本社・静岡市)から献金を受け取っていた問題について追及され、「補助金の交付を受けていたのは知らなかった」ので「適正なものだ」と弁解しました。民主党の後藤祐一議員への答弁。
後藤氏によると、「鈴与」は、2013年3月に国交省から4200万円、同年8月には環境省から1億7200万円の補助金交付が決定。望月環境相が代表を務める自民党支部には、交付決定から1年以内の13年12月に「鈴与」が140万円を献金しています。上川法相が代表の支部は、13年3月から12月までの間に60万円の献金を受けています。
望月環境相は補助金交付企業だとは「知らなかった」としたうえで、環境省の補助金について「補助金は一般社団法人が交付決定したもので、政治資金規正法が定める国からの補助金ではなく、適正だと思う」と説明。
上川法相は、補助金交付について「全く承知していなかった」と答弁。望月氏は献金を返金しているが上川氏自身の対応はと聞かれても、「改めてしっかりと調査して、説明責任を果たしてまいりたい」と述べるだけで、返金していないことを示唆しました。