2015年3月2日(月)
いっせい地方選 北海道帯広で演説会 志位委員長が訴え
TPP、農協つぶしストップ――この願いを日本共産党に
いっせい地方選挙の道府県議選告示(4月3日)まで1カ月余と迫った1日、日本共産党北海道十勝地区委員会は、「道議2候補、市町村議23候補完勝の展望を切り開こう」と帯広市民文化ホールで志位和夫委員長を迎えた演説会を開きました。党委員長を迎えての演説会は十勝地区では初めて。十勝管内の首長、農協関係者、ビラをみて参加した人などで会場は満員に。「『オール十勝』の代表として、帯広から佐々木とし子さん、十勝から山川秀正さんを道議会に送り出してほしい」との志位氏の訴えに、拍手と歓声で応えました。(関連記事)
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演説で志位氏は、帯広・十勝から日本共産党の道議会議員を送り出すことは、環太平洋連携協定(TPP)、農協つぶしにストップをかける一番の力になると訴えました。
志位氏は、TPP交渉の現状について、(1)日本政府が、交渉にあたって「聖域」としてきた米、牛肉・豚肉、乳製品など農産物重要5品目について、国会決議にも反した譲歩に譲歩を重ねていることは明らかであること(2)同時に、交渉は日米両政府の思惑通りに進んでおらず、日本側は譲歩につぐ譲歩をしても、アメリカ側からすれば「まだまだ足らない」となっており、両者の間には大きな溝があり、追いつめられているのは日米両政府であること(3)日米交渉の矛盾をつくっているのは、TPPに反対する各国国民、何よりも日本国民の世論と運動であること――の3点を強調。
「TPP交渉が正念場を迎えるこの春、いっせい地方選挙がたたかわれる。この選挙でTPP反対を正面から掲げる日本共産党を躍進させることがTPPストップの大きな力になります」と訴えました。
さらに、志位氏は、安倍政権による農協「改革」に言及。「安倍政権はいったい何をやろうとしているのか」と問いかけ、「まず第1弾として、JA全中から指導・監督機能を奪ったうえで、第2弾として、(1)農産物の共同販売などを行っている全農を株式会社化する(2)単位農協から信用・共済を分離する(3)准組合員の農協事業利用を制限する――の3点セットを押し付けようとしている」と告発。
そして「何のためにこんなことをやろうとしているのか」と問いかけ、その狙いがTPP反対の運動つぶしと、農協が担っている共同販売・金融・共済などを、日米の銀行、保険業界、大企業が食い物にすることにあると指摘。「そんなことをやれば、単位農協そのものが解体に追い込まれてしまいます。ことは農協の問題にとどまりません。地域住民全体のライフラインとなっている農協をつぶせば、地域の衰退が進みます。こんなことをして、何が『地方創生』か」と厳しく批判しました。
志位氏は、国際協同組合同盟(ICA)の声明でも、日本の協同組合運動を「世界でも特に優れた」ものと評価するとともに、農協つぶしの動きに深い懸念を表明していることを紹介し、「TPP押しつけと一体に、農協をつぶし、農業と農村を壊し、日米の大企業の食い物にする。日本共産党は、この動きに断固として反対を貫きます」と訴え、帯広・十勝での道議会議員選挙での勝利を心を込めて訴えました。
十勝町村会長あいさつ
幅広く案内 首長・農業関係者らが参加
演説会では、十勝町村会の高橋正夫会長(本別町長)が「戦後70年、憲法の下で築いてきた平和が一番危ない状況だ。しっかり声を出しスクラムを組んで頑張ろう」とあいさつしました。
十勝地域区の山川秀正予定候補、帯広市区の佐々木とし子予定候補が決意表明しました。
党地区委員会は、志位委員長来訪が決まった2月1日から約10万のビラなどで宣伝し、市町村長、市町村議会、商工会、農協、町内会、企業など約1000団体に案内。党の演説会が職場で話題になったり、地区委員会に「共産党支持者ではないが参加できるか」という電話もかかってきました。演説会開始1時間前の開場時間にはすでに長蛇の列ができました。
家族4人で参加した乳業メーカー社員の男性(43)は「TPPに負けられない。十勝ブランドを守りたい。十勝みんなの声です。志位委員長の話を力に必ず阻止したい」と話していました。
同日、十勝地域区の他党の現職道議4陣営も決起集会を開くなど、選挙戦は激しくなっています。