2015年3月2日(月)
自民「連続比例復活」議員支部 党費収入ゼロ10人
実態は? 税金はがっぽり
自民党は、衆院選の公認候補予定者となる小選挙区支部長について、2回連続、小選挙区で敗れ、比例選で復活当選した現職議員を「暫定支部長」とし、差し替えの検討対象とする方針を決めました。該当する25人が支部長を務める政党支部を調べてみると、4割にあたる10人の支部が「党費収入ゼロ」だったことがわかりました。政党支部といいながら、その実態はなく、国民の税金である政党助成金をがっぽり受け取るための“財布”となっていました。(藤沢忠明)
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2012年、14年の衆院選で連続して比例復活した自民党の衆院議員は、阿部俊子農水副大臣(岡山3区で落選)、高橋比奈子環境政務官(岩手1区で落選)ら25人います。
25議員中
この25人が支部長を務める政党支部の13年分の政治資金収支報告書を調べると、「個人の負担する党費又は会費」の収入項目で、「金額」「員数(党費又は会費を納入した人の数)」を「0」と報告している政党支部は山本朋広文部科学政務官(神奈川4区で落選)の「自民党神奈川県第4選挙区支部」など、10支部ありました。(表参照)
政党交付金使途等報告書によると、10支部はいずれも、自民党本部から1200万円の政党助成金を受け取っています。うち、宮崎政久衆院議員(沖縄2区で落選)の「同沖縄県第二選挙区支部」の451万円など、7支部が企業・団体献金も受け取っています。
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もっとも企業・団体献金を集めたのは、永岡桂子厚生労働政務官(茨城7区で落選)の「同茨城県第七選挙区支部」で、地元古河市、結城市、坂東市などの企業を中心に11社から1225万円。
745万8000円の企業・団体献金を集めた松本文明衆院議員(東京7区で落選)の「同東京都第七選挙区支部」は、同年9月に「政経フォーラム」を開催、1123万円のパーティー券を売り上げました。
ためこみ
一方、10支部のうち、4支部が、受け取った政党助成金を使い残して、「基金」としてためこんでいます。なかでも、石川昭政衆院議員(茨城5区で落選)の「同茨城県第五選挙区支部」は、12年度末のためこみ額1927万9615円から、500万円以上増やして、2509万9623円にも。
「党費収入ゼロ」で支部としての実態がないにもかかわらず、政党助成金と企業献金を二重取りし、国民の税金もためこむ―。政党助成金制度の害悪を浮き彫りにしています。